ペルソナ3
2025話
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…いや、あれは誘いとかじゃなくて、寧ろ強要していると言ってもいい。
そんな訳で、こっちとしても見てしまった以上は放っておく訳にもいかなかった。
ここで放っておいたら、後でゆかりや美鶴に文句を言われるのは間違いないし……それに、折角の月光祭なのに、ああいう馬鹿のせいで妙な騒動になっても困るしな。
「おい、その辺にしておけ。嫌がってるだろ」
「ああっ!? てめえ、誰に向か……」
誰に向かって言ってるんだ。
恐らくその類の事を言おうとしたのは間違いない。
だが、反射的に叫ぼうとしたその男は、俺の姿を見た瞬間に動きを止める。
……どうやら、俺の事を知ってる相手だったらしい。
いやまぁ、ポートアイランド駅の裏側にいるような相手なんだから、そっちで何だかんだと有名な俺の事を知っていてもおかしくはなかったが。
「さて、俺が誰だか分かるな? どうする? それでも突っかかってくるなら、俺はそれでもいいけど? 幸い、今日は月光祭だ。多少うるさくしても、特に問題にはならないだろうし」
「……ちっ、行くぞ!」
俺と話していた男が忌々しそうに叫ぶと、その男がリーダー格だったのだろう。
他の男達も文句を言わず、そのまま去っていく。
そうして結局この場に残ったのは、俺と絡まれていた女のみ。
女の方は、自分に絡んでいた男達をあっという間に追い払った俺を見て、少し驚いた様子を見せながらも、話し掛けてくる。
「その……ありがとう」
「気にするな。こういう賑やかな場所だと、ああいう馬鹿も増えるからな」
そう言い、俺は改めて女の方を見る。
やはり、高校生とは思えないくらいに大人っぽい。
いや、大人っぽいという意味では、それこそ美鶴なんかは社長秘書に見間違われるくらいに大人っぽいのだが、この目の前の女は……そう、女子大生くらいの年齢、もしくはOLになったばかりといったくらいの年齢に見える。
「ありがとう。私は2年の長谷川沙織。君は……アルマー君よね?」
長谷川と名乗った女が、俺の事を知っていても特に不思議ではない。
2年という事は俺と同学年だし、テストの成績も含めて何だかんだで俺が目立っているというのは理解しているのだから。
これで助けたのが有里とかだったら、もっと確実に向こうは知っていたと思うんだが。
「ああ。それで、お前は1人なのか? いや、1人で行動している俺が言うべき事じゃないだろうが」
「ふふっ、そうね。……その、残念だけど、私には親しい友達がいないから」
長谷川の口から出た予想外の言葉に、驚く。
長谷川は、間違いなく美人と呼べるだけの顔立ちをしている。
それこそ、人の好みにもよるがゆかりや美鶴よりも長谷川の方がいいという者がいてもおかしくない程に。
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