十三枚目
[1/4]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
ガチャリ…
「先生、失礼します」
「おー篝なのだ、久しぶりなのだ。さぁ入るのだ」
先生は前と変わらず出迎えてくれた。
「アザゼルがゴソゴソやってたのだ」
「俺の神器が少しずつ分かって来たので」
「おー、それは良かったのだ。
それで今日はどんな話を聞きに来たのだ?」
「発動したら特定の相手以外を無条件に攻撃する術式はありますか?」
「ん〜…………少し待っていてほしいのだ」
そう言って先生は資料を漁り始めた。暫くして。
「お?有ったのだ」
「本当ですか!?」
「あ…でもコレは攻撃…とは呼べないような物なのだ…それに…」
先生はあまり言いたくない様子だった。
「とにかく、コレは陣を敷く術式なのだ。
そして陣を描いた時に陣の内側に居た者以外を弾き飛ばす術式なのだ。
その後は中級悪魔、能天使クラスなら侵入できない結界を張るのだ」
「本当ですか!?その術式を教えてください!」
「ん…………そうしたいのはやまやまなのだ。
でも理解できないのだ」
「先生が…理解できない術式?」
「そうなのだ、コレが概要なのだ」
と分厚いファイルを渡された。
「こ、れ…は…」
開いたファイルには陣が描かれていた、発動しないよう分割され両開きになった陣を見る。
はっきり言おう、訳がわからない。
「何なんです?この頭がおかしいとしか言えない術式は」
そう、この術式は『頭がおかしい』としか言えない。
アルファベット。
ルーン。
梵字。
漢字。
etc.etc.……
西洋魔術、北欧魔術、法力、陰陽道、その他色々な物が入り交じっていた。
「それはつい最近作完成した術式なのだ。
それぞれが別々ではなく調和しているのだ」
そう、それぞれがそれぞれの弱点をカバーしあって一つの大きな術式を形作っているように見える。
といっても俺には断片しかわからない。
ペラペラとファイルを見ていく、理解出来るのはこの術式を編んだ人は天才だってこと。
本来別々の法則に従って発動する物を同時に行えば不和が起こり暴発暴走する。
だがこの術式はそれが起こらないように綿密に調整されている。
「いったい誰がこんな物を……」
「こんな物とは失礼だな。
まぁ、暇潰しみたいな物だがね」
その声に驚きドアの方を見ると一人の女性が立っていた。
「ジュスヘル、入るときはノックぐらいして欲しいのだ」
「おお、すまんなサハリエル。
どうも独り暮らしが長いとそういった物を忘れてしまう」
ジュスヘルと呼ばれた女性。
特徴的なのはなによりも先ずはその格好だ。
修験道の僧が着るような山伏
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ