十三枚目
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に角柱の帽子、簡単に言えば『天狗』。
その髪は透き通るような白髪、ヴァーリとは違う美しさのある色だ。
瞳は海のように深く澄みきった蒼、空とは違い深い深い蒼海の色。
「この術式はあなたが?」
「ああ、といってもさっき言ったように暇潰しだがね」
「篝、我々の一生はとてもとても長いのだ。
人間とは縮尺が数倍…数万倍あるのだ
この術式は500年近く掛けて作られてるのだ」
五百年の暇潰し…そうか、そうだよな…先生や父さんはアダムとイヴが産まれた時から、否、それよりも遥か昔から生きている。
五百年なんて、本当に暇潰しをしている内に終わるのだろう…
「でも、その術式のままじゃぁ君やサハリエルには扱えなよ」
「確かに意味不明ですね」
「そうじゃなくて…その術式、妖力と神力が無いと発動しないよ」
「神力?妖力?」
「ああ、君はこの格好を見て何か思わないかい?」
「天狗…みたいです」
「そう、天狗だ。
私は堕天使でもあり天狗でもある。
さらに天狗は山の神でもある。
だから私は妖しき力とカミの力を振るえるのさ」
「ちょ、ちょっと待ってください堕天使でもあり天狗でもある?」
「ああ、少し主上と揉めてね。
それでこの有り様さ」
と黒い翼を展開した。
「出ていって偶々着いたのが日本でな」
「あ、そういう…」
「人の体に黒い羽、まさに伝承の天狗そのもの。
そのうち人々に天狗と呼ばれる事で本当に天狗になってしまったのさ。
ある程度なら風を操れるよ」
そう呼ばれる事でそうなる…妖怪の類いはは『信じられ』『怖れられ』『恐がられ』『疎まれ』『奉られ』『敬われ』『嫌われ』『忌まれ』『願われ』る事で存在する。
あれは東方…じゃなくて…結界師…じゃないよな…青エクでもない…たしか物語シリーズだったかな?
「因みにジュスヘルは日本版聖書にも名を連ねているのだ」
「日本版聖書?」
「天地始之事さ。聞いた事位はあるだろ?
その中じゃ御前の七天使のトップ扱い。
主上の祝福の気配がしてついに日ノ本まで主上の手が伸びたかと思って様子を見に行ったら見つかってねぇ…」
「あ〜、御愁傷様です」
「それで、山の奥の奥に構えたのが江戸の少し前だから…うんだいたい五百年だね」
少し前って言っても江戸時代の始まりの時期と五百年という年月から考えて百年近いけどな。
「話を戻すけど、この術式は私が自分の巣穴を守るために作っただけさ。
だから妖力や神力が必要なのさ。
そして改良を続けてできたのがコレ、暇潰しって言ったけどちゃんと実益もあったよ」
「堕天使の使いを何度出してもこの陣で弾き飛ばされたらしいのだ」
「いやぁ、最後にア
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