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蒼穹のカンヘル
十枚目
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たのに居間に入った瞬間篝が落ちてきたの!」

ああ、そうだ…最後に見たのは居間の天井だ…

しかし…なぜだ?

「あのね、その時篝の頭の上にわっかがあったの!」

「わっか?」

何だそれ?

「あのね白くて綺麗なわっかなの!」

白くて綺麗なわっか…エンジェルハイロゥ?

むくり、と体を起こす、そこで翼を出したままだったと気付いた。

壁にカンヘルも立て掛けられている

「いつつ…」

後頭部に鈍い痛みが走りとっさに手をやる。

「あ、起きちゃだめだよ!
篝は頭をうったんだから!」

頭?ああ、落ちたんだったな…

「『落ちた』か…カンヘルの能力か?」

と言ってカンヘルを取ろうと手を伸ばすと…

『【アポート】』

「え?」

澄んだ女性の声らしきものが聞こえたと思った瞬間。

パキパキパキパキパキパキィ!

とカンヘルが緑色のクリスタルに覆われた。

それと同時に伸ばした手の中心からカンヘルを覆うのと同じクリスタルが発生し棒状になる、そして…

パリィィン……

とクリスタルが砕け散り俺の手の中にはカンヘルがあった。

「へ?」

「きれー!ねぇ今のどうやったの!?」

俺が知りたい。

「さ、さぁな…」

「あー!」

とヴァーリが声を上げて俺を指差す。

「今度はなんだよ…」

「わっかが出てる!」

え?マジで?

「あ、あれ?」

エンジェルハイロゥがあると言うので頭に手をやるが何もない。

「すり抜けてるよ」

「そうみたいだな」

スカッスカッ、と何もない空間で手を動かす。

「あ、消えちゃった」

「そうか…」

これがカンヘルの能力…ワープか?自分の部屋から居間へ、壁際から手の中へ…

ガチャリ

「篝、起きましたか。良かったですわ」

姉さんが入ってきた、心配かけたようだ。

「心配かけてごめん」

「全く、何をどうしたら食卓の上に落ちるんですか?」

「多分、コレのせい」

そう言ってカンヘルを見せる。

「そうでしょうとも、父様が明日グリゴリに連れて行くと言ってましたよ」

「よっしゃぁ!」

「全く、此方は振り回されているというのに…」

だってグリゴリ本部だぜ?先生にいろいろ教われるじゃないか!

「そんなにサハリエルさんにあいたいんですか?」

「うん!」

う〜む、サハリエル先生の『幻視』をなんとか再現したいんだがな…

俺は片目を瞑ってみた。

しかし何かが起こる訳もなくただのウインクにしかならない。

「サハリエルさんの『幻視』は『邪視』の副産物なんですから再現は無理だと思いますよ」


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