1.夢と神様
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「(……ああ、そういうと)ええ待ったわよ」
「そういうことなんで連れが世話になりましたー。通しておくんなー」
そういって駆け足でその場を離れた俺らをナンパしてたモブどもは茫然と見ているだけだった。
「しかし、成功するもんだな」
「いや〜。さっきはありがとね。助かったわ」
「ありがとうございました!」
「まあ、気をつけな」
さて、障害がなくなったところでやっと休暇がやって、
「あ、あの!何かお礼を」
「いやいいよ。勝手にやったことだし」
「じゃあ、お礼とか関係なくちょっと私たちに付き合いなさいよ」
「んだよ。今度は逆ナンか?」
ちょっと挑発するように言ってみた。この逆ナンということによって「こいつ何調子乗ってんの?」と思わせるところがポイントだ。
「それでいいわよ。それにあいつらにまたナンパされたらどうすんのよ?助けたなら最後まで責任を持ちなさい」
ぐ、こいつ。痛いところつきやがる。だが正論だからぐうの音も出ない。嗚呼、俺の休暇がぁ。
「へいへい。改めて、葛葉智幸だ」
「私は宇佐美蓮子」
「マエリベリー・ハーンです」
これが、このメビウスの輪の物語の始まりだった。
「って、何夢の中で寝てるんだよ。懐かしいなこん畜生」
本当に懐かしい夢だ。一体何年前の記憶だろうか。
改めて、俺は葛葉智幸。今は宇宙の神様だ。
しばらく地球を離れていたんだが、折り言った事情で帰ってきたはいいんだが、
「さて、どこで寝泊まりしようか」
現在、森の中で絶賛迷子になってる。たぶん『ここ』に寄生してるはずなんだよな。さっき「アタイったらサイキョ―ね!」と言いながら妖精に襲われたから間違いないと思うんだが。
そう思いながら森の中を突き進んでいると、そこには真っ赤な館が立っていた。
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