第8話 初めての魔人戦
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ホーネットと別れた(逃げた?)ゾロは 透明化魔法を改めてかけ、そのまま山道を引き返していた。
『傍から見れば結構薄情だよな……。今のは』
それは一体何のことか? と聞かれれば当然ながらホーネットの事だろう。信頼し笑顔を浮かべ、傍にいると安心する……とまで言っていた彼女に黙ってきたのだから。……そのまま置いてきたのだから。見られていたらまず間違いなく『この甲斐性無し』と罵られること間違いなしだ。
「確かにな。だが 判っているだろう? ……ホーネットは間違いなく気付いている。ミラクルや魔想志津香、ヒトミたちと同等かそれ以上に。ある程度気付いているが それでもそれ以上追及はしてこない。あのまま一緒にいるのは 彼女にとっても悪い。……まだ、言えないのは違いないのだから」
『それは判ってる。……心苦しさを言えばオレも判ってるつもりだ』
「……くく。鈍感だ鈍感だと言われていたあの頃が本当に懐かしいな、主よ」
『やかましい! 変な事言うな!』
山道中。誰もいない(見えない)場所に声が聞こえてくる……ちょっとしたホラーになっているが、此処には誰もいないので良しである。
「まぁ…… ホーネットの元から去った理由は他にもある」
『ん……。 感じたか?』
「ああ。中々厄介なものと一緒にな」
少しばかり表情を険しくさせたゾロは 音も無く足早に下山していくのだった。
〜 翔竜山 中腹 〜
場面はエールたち。
エールたちは 魔王ランスのいるアメージング城へと続く山道が巨大な門によって塞がれているのを発見した。押しても引いても攻撃してもビクともしない巨大な門。その傍には5つの穴が開いた巨大な石碑があった。ご丁寧に説明文も添えてあり、簡単に言えばこの門は 5つのオーブを揃えてはめ込まないと開かない。つまり先へと進めない……と言うものだった。
オーブは母クルック―に指示されていたものだから 大体理解できたのだが 勿論今持ってる訳がない。
諦めて帰ろうか? と頭に過ったのだが 長田君が先へと敢行。此処まで来る間生きた伝説と称されるアームズ・アークと出会い、更にはドラゴンを倒し、竜殺しと長田君が興奮し…… 諦めきれない、との事で周囲に抜け道がないかどうかの確認に向かったのだ。
でも行けども行けども抜け道の類はない。ただただ険しい山道だけだ。門の先の道へと行こうものなら、下に降りて 断崖絶壁をロッククライミングしないといけないだろう。そんな事、標高を考えたら出来る訳もないし、翼をもたない人間ではどうする事も出来ない……と結論付ける事が出来たのも遅く無かった。
「うぅーん……、こりゃ 抜け道とかなさそうじゃね?」
「………門が
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