ペルソナ3
2024話
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。これは順平も驚くか」
その視線の先にいる人物……ゴスロリの服に身を包んだチドリの姿を見て、納得する。
本来であれば、辰巳記念病院で入院していた筈のチドリ。
もっとも、制御剤による副作用に関しては、イクシールでほぼ全快に近い形になっていた筈だった。
そう考えれば、チドリが普通にここにいるのは、そこまで驚く事でもない……のか?
ともあれ、チドリのゴスロリっぽい服装は、普通なら当然目立つ。
だが、今は月光祭が開かれており、当然のようにコスプレをしている者もいるので、チドリもそこまで目立つような事はない。
それでも、服装以外のところでチドリは目立っていたが。
何だかんだと、チドリの顔立ちは整っている。
多少好みはあるだろうが、それでも間違いなく美人と呼んでも間違いはない。
そんな人物がいれば、当然のように人の注目を浴びるのも当然だった。
特にチドリは、月光館学園の生徒にとっては見知らぬ人物だ。
そうである以上、純粋に知名度という意味ではどうしてもチドリの方が低い。
つまり、チドリを初めて見る者の方が多く、月光館学園の生徒達の視線がチドリに集まってもおかしくはない。
「チ、チ、チ、チ……」
驚きのあまりだろう。順平はろくにチドリの名前を口にする事が出来ない。
その気持ちも分からないではないが……いつまでもこのままって訳にもいかないだろう。
缶紅茶の表面についている雫を指ですくい、そのまま飛ばす。
真っ直ぐに飛んだその雫は、当然のように順平の顔に当たった。
「わひゃあっ!」
周囲にいる者達にしてみれば、いきなり順平が妙な悲鳴を上げたように聞こえたのだろう。
妙な相手を見るような視線が向けられ……それでようやく順平も我に返る。
当然のように、それが誰の仕業なのかが分かった順平は、一瞬俺に視線を向けるも……それでも、すぐにチドリを向き、口を開く。
「えっと、なんでここにいるんだ? 病院の方はもういいのか?」
「うん。美鶴にいいって言われた」
「……桐条先輩に?」
「うん。シャドウ……」
「わああああああああああああっ! は、話! 話は離れた場所でするから。な? ちょっと待っててくれ。アクセル、悪いけど俺は抜ける!」
そう言ってくる順平に、軽く手を振る。
そして順平は有里とアイギスに目配せをすると、一緒にその場を離れていく。
……浮き世離れしている性格をしているとは思っていたが、まさかこんな人前で堂々とシャドウという単語を口にするとは思わなかったな。
もっとも、実際にシャドウ関係について話しても、それこそゲームか何かの話だと判断される可能性が高いだろうけど。
ともあれ、チドリがここにいるのは美鶴の手回しのおかげらしい。
だが、あれ
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