第二章
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「ソプラノ、メゾソプラノ、アルトの順にですね」
「低くなるの」
「そうでしたね」
「それで男の人の声はね」
「テノール、バリトン、バスですね」
郁美から答えた、これは小学校の音楽の授業で習ったことで今もはっきりと覚えていることなのだ。
「やっぱり順にでしたね」
「低くなるのよ。それで女の人の方がね」
「声は高いんですか」
「しかもソプラノやテノールにもそれぞれ高さがあるの」
一口にそうくぐられているがというのだ。
「レッジェーロ、リリコレッジェーロ、リリコ、リリコスピント、ドラマティコってね」
「複雑ですね」
「それで日本橋さんはレッジェーロかリリコレッジェーロね」
「かなり高い方ですね」
「ソプラノの中でもね。さっきオペラ歌手は歌を選ぶって言ったけれど」
「同じソプラノでもですか」
「選ぶわよ」
そうだというのだ。
「これがね」
「そうなんですか」
「そう、だからね」
「私もですか」
「その音だとね」
ソプラノでも高い方の音だからだというのだ。
「やっぱりね」
「低い音の歌は歌わない方がいいですか」
「特に男の人の低い、バスとかの曲はね」
「そのまま歌うと危ないですね」
「喉にとってね」
実際にというのだ。
「そうよ」
「そうですか」
「だからその判断は正解よ」
カラオケの時にありのままの曲を歌うことはというのだ、低い声の曲を。
「高くして歌うことはね」
「いいことですか」
「そうよ、ずっと歌いたいならね」
「声のこともですか」
「考えて」
そしてというのだ。
「歌っていってね」
「わかりました」
郁美は先生の言葉に頷いた、そしてだった。
今度は友人達に先生に言われたことを話した、それは自分達のクラスにおいてだったがすると友人達も言った。
「歌は楽しく歌うものだし」
「それだったらね」
「別にありのままにこだわらなくてもいいわね」
「自分が歌いたい風に歌えばね」
「それでいいわね」
「そうみたいね、実はね」
ここで郁美はこの歌手の名前を出した。
「美空ひばりさんの歌テレビで聴いたら」
「ああ、昭和の人よね」
「昭和の大歌手の中の大歌手じゃない」
「もう伝説って言っていい」
「物凄い人じゃない」
「あの人が高い音も低い音も歌えてたから」
それを聴いてというのだ。
「凄くね」
「凄いって思ってそれでなの」
「自分もってなったのね」
「郁美ちゃんも」
「そう思ってもいたから」
それでというのだ。
「ありのままの曲で歌えるのが一番って思ってたけれど」
「いや、それでもね」
「美空ひばりさんはもう別格でしょ」
「特別っていうか」
「あの人は伝説だから」
「だからね」
「比較する方が間違いよ」
生前
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