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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epica13-B橙石楠花騎士隊〜Mission〜
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仮面持ちの足元から竜巻が発生して、まるで蛇のようにうねりながら突っ込んで来た。この魔法を見て、アイリはすごい懐かしさを覚えた。アイリやアギトお姉ちゃんを作ったイリュリアに、同じような魔法を使う騎士がいたな〜って。竜巻の蛇と化した仮面持ちがジムの中をグルグル回った後、どうしてかビルの外壁じゃなくて奥へと向かっていった。

「逃がすか!」

マイスターも仮面持ちとの追いかけっこを再開。仮面持ちはその圧倒的な破壊力でこの階層の壁という壁を粉砕していってるから、「おい、それ以上はやめろ!」ってマイスターも焦りだす。そんな時、仮面持ちがある部屋の壁を破壊した。

『ちょっ、え、なんで・・・!?』

その部屋の中には、気を失ってる水着姿の女の子が数人と横たわってた。部屋の造りからしてサウナルームだと思うんだけど・・・。なんで逃げなかったのか、って疑問が頭の中をグルグル駆け巡った。マイスターも、想定外なその光景に動きを止めざるを得なかったみたいで・・・。

――トランスファーゲート――

その間にも仮面持ちは派手な破壊音を立て続けに起こしてる。だからアイリは、マイスターだけでも先に行かせたくて、勝手だけど『ユニゾン・アウト!』をした。

――ラケーテン・シュペーアU――

とそこに、超高速の突進で戻ってきた仮面持ち。携えてる槍の穂先が向いてるのはアイリでもマイスターでもなく、アイリが今抱き起こしてる女の子。マイスターがアイリ達を護るように間に入ってくれて、“エヴェストルム”で槍を上に向かって弾いた。穂先が天井に突き刺さって、仮面持ちの攻撃手段は無くなった。

――シルト・インエフェクティーフ――

「ぐぅぅ・・・!」

「マイスター!?」

でもそうじゃなかった。仮面持ちは槍の下半分を分離させて、石突部分でマイスターの左肩を貫いた。仮面持ちは槍を引き抜こうとしたけど、マイスターは“エヴェストルム”を手放した左手で柄を鷲掴んだ。

「逃がすものかよ」

――禍神の隷氷(コード・ベルヴェルク)――

本来は氷の甲冑を身に纏う氷雪系強化の術式だけど、マイスターは空いてる右腕だけに籠手を生成。仮面持ちをガシッと鷲掴んで、そのまま急速冷凍した。凍結効果は槍にも及んで、粉々に砕けちゃったから「おっと。やり過ぎてしまった」って反省しちゃった。

「そんな反省は後だよ、マイスター! 左肩の治療をしないと!」

「ん? ああ、そうだな」

そんな軽い口調で言ったマイスターは床に転がってる“エヴェストルム”を拾い上げて、カートリッジを3発と連続ロードして「コード・エイル」って治癒術式を発動、一気に肩に開いた穴を塞いだ。マイスターの持つ治癒は強力だけど、ダメージを受ける事には変わりないんだから心臓に悪いんだよね・・・。
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