第二話 英霊召喚
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も一応了承してくれた。
俺は彼女にパーティ申請のメッセージを送り、パーティを組んだ。
しかし、それから彼女はそのまま黙ったままだった。
どうやらまだ俺たちの間には距離感があるらしい。
「よ〜し、そろそろ組終わったかな?じゃあ――」
「ちょっと待ってんかーー!!!」
パーティを組み終わりディアベルが今後の方針を話そうとした時、突然一人の男が広場の前に出てきた。
「ワイはキバオウってもんや。ボスと戦う前にいっぺん言わせてもらいたい事がある」
キバオウと名乗ったその男はプレイヤー全員を指さすように指先をキッと向ける。
「こん中に、今まで死んで逝った二千人に詫びいれなあかん奴らがおるはずや!」
俺はキバオウが何を言おうとしているのか察しが付き、微かに顔をしかめた。
「キバオウさん。君の言う奴らとはつまり、元ベータテスターの事、かな?」
「決まっとるやないか! ベータ上がり共はこんの糞ゲームがはじまったその日に、初心者(ビギナー)を見捨てて消えおった。奴らは旨い狩場やら、ボロいクエストを独り占めして、自分らだけポンポン強なってその後もずーっと知らんぷりや!」
ジロリと全体を見回してから、キバオウは更に吼える。
「こん中にもおるはずやで!ベータ上がりの奴等が!!そいつ等に土下座させて!貯め込んだ金やアイテムを吐きだしてもらわな、パーティメンバーとして、命は預けられんし、預かれん!!」
思わず顔を顰める。
この世界に来て、命がけで強くなろうとして敵を倒してきた。
それはベータでもビギナーでも同じように払うリスクのはずだ。
俺の中で何かがモヤモヤと渦巻いていた。
「発言いいか?」
その中で前列、観客席の中段の位置に座る褐色の肌の巨漢の男が手を挙げる。
「俺の名はエギルだ。キバオウさん、あんたの言いたいことはつまり、元ベータテスターが面倒を見なかったからビギナーが沢山死んだ、その責任を取って謝罪しろ、ということだな?」
「そ、そうや……」
巨漢エギルの存在感にキバオウは一瞬怯んだ様子を見せた。
すると、エギルはポケットから小さな本のようなものを取りだす。
「このガイドブック……アンタももらっただろ。道具屋で無料配布してるからな」
「もらたで……それがなんや!」
「配布していたのは、元βテスター達だ」
その言葉が響いた途端、いっせいにざわめきはじめた。
キバオウの方は少しうめいていた。
そして、エギルは周りの方を向き、声を上げた。
「いいか。情報は誰にでも手に入れられたんだ。なのに、たくさんのプレイヤーが死んだ。その失敗をふまえて、オレ達は、どうボスに挑むべきなのか。それが、この場で論議されると、オレは思っていたんだがな」
そして、言い
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