暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/ONLINE
第二話 英霊召喚
[2/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
も一応了承してくれた。
俺は彼女にパーティ申請のメッセージを送り、パーティを組んだ。
しかし、それから彼女はそのまま黙ったままだった。
どうやらまだ俺たちの間には距離感があるらしい。

「よ〜し、そろそろ組終わったかな?じゃあ――」
「ちょっと待ってんかーー!!!」

パーティを組み終わりディアベルが今後の方針を話そうとした時、突然一人の男が広場の前に出てきた。

「ワイはキバオウってもんや。ボスと戦う前にいっぺん言わせてもらいたい事がある」

キバオウと名乗ったその男はプレイヤー全員を指さすように指先をキッと向ける。

「こん中に、今まで死んで逝った二千人に詫びいれなあかん奴らがおるはずや!」

俺はキバオウが何を言おうとしているのか察しが付き、微かに顔をしかめた。

「キバオウさん。君の言う奴らとはつまり、元ベータテスターの事、かな?」

「決まっとるやないか! ベータ上がり共はこんの糞ゲームがはじまったその日に、初心者(ビギナー)を見捨てて消えおった。奴らは旨い狩場やら、ボロいクエストを独り占めして、自分らだけポンポン強なってその後もずーっと知らんぷりや!」

ジロリと全体を見回してから、キバオウは更に吼える。

「こん中にもおるはずやで!ベータ上がりの奴等が!!そいつ等に土下座させて!貯め込んだ金やアイテムを吐きだしてもらわな、パーティメンバーとして、命は預けられんし、預かれん!!」

思わず顔を顰める。
この世界に来て、命がけで強くなろうとして敵を倒してきた。
それはベータでもビギナーでも同じように払うリスクのはずだ。

俺の中で何かがモヤモヤと渦巻いていた。

「発言いいか?」

その中で前列、観客席の中段の位置に座る褐色の肌の巨漢の男が手を挙げる。

「俺の名はエギルだ。キバオウさん、あんたの言いたいことはつまり、元ベータテスターが面倒を見なかったからビギナーが沢山死んだ、その責任を取って謝罪しろ、ということだな?」
「そ、そうや……」

巨漢エギルの存在感にキバオウは一瞬怯んだ様子を見せた。
すると、エギルはポケットから小さな本のようなものを取りだす。

「このガイドブック……アンタももらっただろ。道具屋で無料配布してるからな」
「もらたで……それがなんや!」
「配布していたのは、元βテスター達だ」

その言葉が響いた途端、いっせいにざわめきはじめた。
キバオウの方は少しうめいていた。
そして、エギルは周りの方を向き、声を上げた。

「いいか。情報は誰にでも手に入れられたんだ。なのに、たくさんのプレイヤーが死んだ。その失敗をふまえて、オレ達は、どうボスに挑むべきなのか。それが、この場で論議されると、オレは思っていたんだがな」

そして、言い
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ