暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜白猫と黒蝶の即興曲〜
交わらない点:Point before#5
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ではないのだった。

つまるところ、

「うまいモンは私だって食いたいんですよッ!!」

本能に従って胸の内を吐露しながら、真下からエサを狙う肉食魚を追い払おうとするが、ちっこい少女はカグラと違ってシステム上の各種ステータスは与えられていないにも拘らず、ものすごい力で反抗してくる。

これが欲望の差なのだろうか、と人工知能の女性は欲の浅ましさについて悟りが開けてきた。

「そうですね……。確かに現実の肉体がない我々にとっては飢餓感と同じくらい満腹感もないですからね。理論上無限に食べれますよね……」

「むっ、何を勝手に納得されたのか分からないかも」

「胸に手を当てれば分かりますよ」

「そこはかとなくケンカ売ってない??」

しかして供物を取りに行った少年がなかなか戻らないことから、次第にマイの口元からガッキンガッキンという人間らしからぬメカニカルな音が聞こえ始めてきて、いよいよ受け皿の中身を生贄に捧げようかとカグラが算段していると――――



()()()()()()()()?」



黒揚羽のような凛然とした声が、耳朶を震わせた。

飢えたチュパカブラ状態の少女はそちらを見ようともしなかったが、一応自分達にかけられたものかもしれないとカグラは周囲を見回す。

否、見回す必要もなかった。

いつの間にか。そう、いつの間にか。少し目を離した隙に、という感じですぐ隣に変わった印象を受ける少女が立っていた。

黒と紫を基調にしたワンピース。しかしそれがどうしようもなく周囲から浮いて見えるのは、そのデザインがどことなくALOのファンタジー然とした方向性ではなく、どちらかというと近未来的なSFチックなものだからかもしれない。

しかしその程度、プレイヤーのハンドメイド製品ならままあることだ。現実世界のサブカルチャーを世界観をセットにして存分に発揮できるあの業界は混沌の坩堝とよく伝え聞く。実際、主要都市以外でたまに見かけるアングラ市場などでは、ゲテモノメイド服やら制服コスプレ服などが所狭しと並べられた店もあった。

それに照らし合わせれば、この程度のデザインはまだまだ入門編のような違和感だが、それでも背景の妖精達からは別種の雰囲気を醸し出していた。

それはきっと、少女自身の持つ空気のせいかもしれない。

茫洋とした赤い瞳と白い長髪。それが合わさり、どことなく深窓の令嬢のような不思議な神秘さがあった。

「……えぇと、私達に何か?」

「あなたはどう思う?」

困惑気味に放たれたカグラの言葉が聞こえていないかのように、彼女は再度その問いを繰り返した。

決して聞こえていないということではなく、聞こえた上でスルーしてい
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