暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
ペルソナ3
2023話
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クセル」

 声のした方に視線を向ければ、そこには美鶴の姿があった。

「どうしたんだ、生徒会長が。今日は色々と忙しいんじゃないのか?」
「ちょっと前までは忙しかったんだがな。ただ、他の皆が私にも少しは学園祭を楽しんでこいと言ってくれてな。1時間程休憩の時間を貰ったんだ」
「へぇ……なら、そうだな。ちょっと一緒に回るか?」

 そう告げると、美鶴は少しだけ驚いた表情を浮かべる。

「いいのか?」
「ああ、俺はそれで別に構わない。……寧ろ、美鶴の方こそいいのか? 折角の学園祭を俺と一緒で」
「構わんさ。もし誰にも誘われなければ、結局1人で見て回っていたのだからな」
「意外だな。美鶴はかなり人気があるんだし、それこそ一緒に学園祭を見て回りたいって奴が大勢いてもおかしくないと思うんだが」
「ふっ、どうだろうな。アクセルがどう思っているのかは分からないが、結局今の私はこうして1人でここにいる、それが全てだよ」

 美鶴は間違いなく人気のある人物だし、下級生からもお姉様と慕われている。
 実際、今も俺と話している美鶴に通行人が何人も視線を向けているのだから。
 そう考えれば、誰かが美鶴を誘ってもおかしくはないんだが……
 寧ろ、お互いに牽制し合っている間に、結局誰も誘えなかったって感じだったりするのか?
 ともあれ、俺と一緒に学園祭を見て回るのは問題ないようなので、俺は美鶴と共に歩き出す。

「それで、最初はどこにいく?」
「ふむ……どこという場所はないな。取りあえず適当に見回らないか? 面白そうな場所があれば、そこを見ればいいし」
「それは構わないけど、美鶴の場合はどこで何をやってるのかってのは分かってるじゃないか?」

 生徒会長という立場上、全ての出し物に許可を出したりとしているのだから、そうであってもおかしくはない。
 だが、美鶴はそんな俺の言葉に苦笑を浮かべる。

「一応全部の出し物をチェックしているが、それはあくまでも書類上の事でしかない。また、準備中に見て回る事はあるが、今のように完全に出来たところを全て見て回る訳にはいかないからな」
「あー……なるほど」

 月光祭の規模そのものは、そこまで大きなものではない。
 そもそもの話、月光館学園の敷地自体がそう広くはないのだから、それは当然だろう。
 ……麻帆良学園の学園祭とか、数人の生徒会で管理しろと言われれば、間違いなく不可能になりそうだが。

「なら、そうだな。取りあえずあそこに行ってみないか? 見た感じ、結構人気らしいけど」

 俺の視線が向けられたのは、教室を使った喫茶店。
 ただ、当然ながらただの喫茶店でそこまで人気が出る筈はなく……

「仮装喫茶? ほう、そう言えばそのような店もあったな」

 美鶴の言葉通り、
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