第29話 イゼルローンへの道
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しいですな、情報が漏れていたとしたら、
最低でも我々と同数の五万隻は用意するのではありませんか?」
その言葉に対して、ヤンが答えを出した。
「総参謀長閣下、恐らくフェザーンが適当に少なく報告したのでしょう」
「しかし、何故に?」
「フェザーンの立ち位置を考えれば自ずと答えは出ます。彼等は中継ぎ貿易で栄えています。
しかし商売相手の一方が消えたらどうなるでしょうか?」
「なるほど、バランスを取る為という訳か」
「そうだと思います、しかも増援の提督がゼークト大将です。
よほどの危機なら宇宙艦隊司令長官か副長官を派遣するでしょう」
「なるほどな」
「作戦参謀はこの旨を考慮に入れて作戦を立ててくれ」
この様にあくまでリーファは裏方に徹してヤンとワイドボーンが作戦の提案者であるように見せかけている為、フェザーンが手に入れた作戦計画書にも、ヤン・ウェンリーとマルコム・ワイドボーン2人の連名署名があるだけであった。その為にフェザーンの高等弁務官が密かに調べさせていた人物論評もヤンとワイドボーン2名だけになっていた。
司令部では、敵増援の報告を受けて再度作戦の立て直しが始まっており、喧噪に包まれていたが、統合作戦本部からの出向組は適当に仕事を手伝うか、御茶を飲むかかぐらいで暇をもてあましていたが、リーファは自分のオフィスで最後の詰めの準備に余念がない。
んー。やはり増援が出てきたか。しかし兵力が中途半端だから黒狐が情報操作したな。しかし時期的には最初のダミー時間がそのままのようだね。此方はイブリンのお陰で通常より速い速度で艦隊をイゼルローン回廊へ進入させられるから、本来の作戦書に記載されている5月中旬にイゼルローン回廊進入が繰り上がって4月29日頃に出来るから、敵は未だ回廊出口を確保していない可能性が高いからね。
恐らく黒狐がミサイル艦や要塞傷口にローゼンリッターを急襲させるのもばらしてるはずだ。そうなると敵が第6次イゼルローン要塞攻略戦のラインハルトの様にあの位置から進撃してくるだろから、極端に長い形で迎撃する羽目になると。
んーならば、ミサイル艦が攻撃された直後に、艦隊を8光秒程後退させて、戦場に隙間を作り敵側から丁度死角になる。この凹みに艦隊を隠して側後方から急襲させるのがベストか。
後は、4月25日に発表される、ダミー作戦書ではミサイル艦隊を追尾して無人戦艦が突入と同時にローゼンリッターが捨て駒覚悟の要塞への突入と成っているから、直ぐ後でリューネブルク、ヴァーンシャッフェ、シェーンコップに説明しておかなきゃだね。
説明しておかないと自暴自棄に成って下手すりゃ全員で亡命しかねないから、確りと幹部連中には実際に捨て駒のような突入は無いと話しておかないとね。しかも未だに連隊長はリューネブルク大佐だ
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