第五十一話 川旅その二
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「一切わかってないな」
「ああ、しかしな」
「その魔神をな」
「俺達は倒さないといけないな」
「そうだよ」
その通りだとだ、芳直は久志に答えた。
「それが俺っち達がこの世界に来ている理由だよ」
「寝たら来てるこの世界にな」
「そうだよ、若し何もしないならな」
「こっちの世界に来ている意味ねえな」
「遊んでるだけだぜ」
それこそというのだ。
「それじゃあな」
「遊んでるだけだとな」
「来てる意味ねえだろ」
「ああ」
その通りだとだ、久志も答えた。
「やっぱりな」
「遊び人なら別だけれどな」
「遊ぶのは好きでもな」
「来た意味ってあるよな」
「そうだよな、どうしてこっちの世界に来るのかはわからないけれどな」
寝たその時にだ、そこはまだ誰もわからない。
「そこはな」
「ああ、しかしな」
「それでもだよな」
「やるべきことがあるのならな」
「しないとな」
「さもないとこっちの世界はな」
「乱れたままでな」
戦乱、それでだ。確かに民や国土への被害は少ないがそれでも戦乱自体が迷惑であることは言うまでもない。
「続くからな」
「それでだよ」
「俺達がやることはな」
「この世界を救うことだよ」
その為に来ていることは間違いのないことだしだ、それならというのだ。
「何といってもな」
「そうだよな、しかしな」
「しかし?」
「海の魔神のこともな」
「気になるか」
「どうしてもな」
二人で川、海ではないが同じ水であるそこを観つつ話す。川面には何が出ることもなく至って穏やかである。
「気になるな」
「本当にな」
「どんな奴か」
「そしてどれだけの軍勢を持ってるかな」
「今から知っておきたいな」
「そうだよな」
甲板で二人でこうしたことを話してだった、そうして。
二人は船の中に戻ってそのうえで今度は他の仲間達と同じ時を過ごした、仲間は一行以外にも多くの客がいてだった。
船の中で遊んだり飲んだりしていた、見ればギャンブルをしている者も多い。そのギャンブルを見て言ったのは淳二だった。
「ちょっとやっていいかな」
「そういえば君はギャンブル好きだったね」
「大好きなんだよ」
剛に笑って答えた。
「これがね」
「そうだったね」
「だから今もね」
「皆がしているのを見てだね」
「おいらもね」
「してみたくなったんだね」
「うん、これからね」
こう剛に答えた。
「ちょっとね」
「じゃあする?今から」
「そうしようかな、ただね」
「ただ?」
「何をするかだよ」
ここで問題となるのはというのだ。
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