猫娘と雄英体育祭編
NO.029 出久と飯田の戦い
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はとある事を思っていた。
「(デク! 戦闘訓練の時の中途半端に終わっちまった戦いのリベンジをつけてやるぞ!!)」
と、気合を入れていた。
それを観客席で見ていた一同はというと、
「次は緑谷君に爆豪君か……決勝戦とはいえあまり見たくない戦いかもしれないな」
「飯田君、そうだね。デクちゃん大丈夫かな……?」
「きっと大丈夫だろう」
そう話していた時に突如として鳴る飯田の電話。
お茶子に断りを入れて静かに聞こえるところまで行った飯田は電話に出る。
「もしもし……」
『天哉! 落ち着いて聞いてね! 天晴が、兄さんがヴィランに……!』
「ッ!?」
それによって飯田の心に濁りが出来てしまう事になる。
出久がいる控え室に飯田はすぐに向って、
「緑谷君……」
「飯田君? どうしたの?」
「…………ああ。決勝戦前にすまない、突然だが早退して緑谷君の試合を見れない事を許してくれ……」
「なにか、あったの……?」
「インゲニウムが……兄さんがヴィランにやられた」
「インゲニウムが!?」
それで出久も顔を蒼白にする。
「決勝戦前に不安な事を言ってしまいすまないと思っている。だけど、緑谷君は気にしないで決勝戦を挑んでくれ」
「で、でも……」
「頼む。俺の分も全力で戦ってくれ……」
その飯田の言葉に、出久は無言で頷き、
「うん。飯田君の分も頑張る……インゲニウムの無事を祈っているね」
「ありがとう。ではな!」
飯田はそれで早退をしていった。
出久はインゲニウムの無事を祈りながらも決勝戦へと臨むことになった。
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