97部分:第十四話 騒がしい中学生その二
[8]前話 [2]次話
第十四話 騒がしい中学生その二
「わかっているわね」
「お餅よね」
お正月はお餅です。何と言ってもこれです。
「それのひのきしんもあるからね」
「あっ、それもう聞いてるわ」
というか前から知っていました。お正月も毎年帰っていましたから。
「食堂の係よね、女の子は」
「ええ、そうよ」
天理高校の女の子のお正月のひのきしんはそれなんです。半被を着た奇麗な人達が接待してくれるってことで評判いいんです。
「それも頑張りなさいよ」
「先のこと言われてもわからないわよ」
「ふふふ、今からじゃそうよね」
お母さんもそれはわかっているみたいでした。
「けれど楽しみにしておきなさい」
「わかったわ。本当に先だけれど」
「それでこれからどうするの?」
話が一段落ついたところで私に言ってきました。
「これからって?」
「ええ。時間あるわよね」
「ええ、まあ」
お母さんの言葉に答えます。ゴールデンウィークですし。
「だったら何か食べる?」
「何でも好きなの言ってみたらいい」
お父さんも言ってきました。二人共久し振りなんで随分優しくしてくれている感じです。
「おぢばにあるものだけな」
「おぢばにあるだけのものなの」
「当たり前でしょ」
お母さんがまた笑ってきました。
「ないものは仕方ないじゃない」
「そうね。けれど不意に言われても」
「考えられない?」
「うん。おうどんとかお好み焼きとかかしら」
「そうか。じゃあそれだな」
お父さんは私がおうどんとかお好み焼きを出したところで頷いてくれました。
「お好み焼きにするか」
「ええ、それがいいわね」
お母さんはお父さんの提案ににこりと笑って頷きます。話がこれで決まりました。
「千里もそれでいいわよね」
「うん」
お好み焼き好きですし。私はお好み焼きは大阪派です。奥華は広島にも教会が多くてお好み焼きの話をするとちょっとややこしいんですけれど。
「じゃあそれでね」
「行くか」
こうして三人で詰所を出ました。行くお店は少し歩いたところにありました。
「烏賊でも海老でもいいのよね」
「何ならミックスでもいいわよ」
お好み焼きに入れるのは何でも好きです。モダン焼きも好きですけれど今はお好み焼きを食べたい気持ちです。
「何でもね」
「じゃあミックスね」
私はお母さんの言葉に頷きました。
「それ御願い」
「よし、じゃあお父さんもそれだ」
「お母さんもよ」
家族全員がミックス焼きを注文することになりました。話が決まるのが凄く早いです。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ