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悲劇で終わりの物語ではない - 凍結 -
終極 ──明日へ──
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運命は変えられないのだ。


 ああ─




"一体自分は何度彼らとの出会いと決別を繰り返さなければならないのだろう?"




 億劫になるほど幾度も彼らとの出会いと訣別を繰り返してきた。

 だがようやく彼らのために命を懸けて尽くすことができそうだ。自己犠牲という褒められた行為ではないとしてもマシュとロマン、そしてキャスパリーグを救うことができて本当に良かった。

 最後に彼らのために尽くすことができて本当に良かった。

 崩壊を始める時間神殿の姿が自身の眼に映る。

 これが自分の人生最後の光景。
 己の人生の終着点。
 人生の終幕を飾る光景だ。

 彼らを最後に一目見たかったのだがこの景色も存外に悪くない。
 スカサハには本当に申し訳ないことをした。

 彼女はこんな自分を許してくれるだろうか。
 何も言わず消えてしまうこんな自分勝手な自分を。

 もし再び再会することができるのならば誠心誠意謝ろう。
 二度と彼女の傍から離れないようにしよう。

 思えば自身の人生は長いようであっという間であった。彼らとの出会いなくして自分は今日のこの日まで生き続けようとは決して思わなかっただろう。

 自分は無限にも感じる悠久の時を彼らなくして生きる気力を、意義を見つけることなどできなかっただろう。

 彼らから感謝されたことは多々あるが、感謝を述べるのは此方の方だ。

 彼らからは多くのことを学び、教えられた。
 彼らとの出会いと共に過ごした記憶は自分にとってかけがえのない宝物だ。

 ならば最後に彼らに伝えるべき言葉はこれ以外にないだろう。


 







『ありがとう。』










 最後に彼らへのお礼を述べたウィスはこの世界から消滅した。

 ウィスの体から発せられていた生命の粒子は霧散し、その存在が完全に溶けてなくなる。
 その光景は実に儚く、輝かしい生命の消滅の瞬間であった。

 余りにもあっけなく、この世界から消失したウィスの最後。
 立香とカルデアの皆は決してこの光景を生涯忘れることはないだろう。

 ソロモンの最後の指輪と光りを失ったウィスの杖が地へと静かに落ちる。










 その後ゲーティアとカルデアの面々は正史通りの道筋を辿ることはなく、独自の変化を遂げることになる。


─残留思念と化したゲーティアとの邂逅─

─カルデア側の揺るがない勝利─


 だがそれでもこの世に初めて人としての生を受けた彼、ゲーティアは人類最後のマスターである藤丸立香へと闘いを挑む。


「立て、人類最後のマスターよ。いや…、藤丸立香よ。あのウィスが
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