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悲劇で終わりの物語ではない - 凍結 -
終極 ──明日へ──
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う存在がこの世界から消えていくのを感じる。だが詠唱を止めることはしない。

「──『訣別の時きたれり、其は世界を手放すもの』──」

─全てを終極へと導く言葉を紡ぐ。







「───『アルス・ノヴァ』───」

 途端ウィスを中心に膨大な魔力が吹き荒れた。







 七十二の魔神柱が自壊し、固有結界である「時間神殿ソロモン」が崩壊していく。全てが壊れ、終焉へと向かう。

「何故だ!?永遠の命を有しているお前が剰えそれを放棄する。何故よりにもよって我々の行いを否定するのだ!!?」

 叫ばずにはいられない。
 彼らはウィスの行動を理解できなかった。










 過去に自分たちの王と交わした言葉を思い出す。
 何故このタイミングで思い出したのかは定かではない。



─多くの悲劇を、悲しみを、死を見た─


─避けられない死─


─最後には恐怖しか残らない。なのに何故我らが王はそれを知ってなお容認するのだ!─





─"それを知ってなにも感じないのか!この悲劇を正そうとは思わないのか!" ─

 故に王へと諫言した。しかし─







"いやぁ、まあ。別に何も?"







─この男を許してはならない─


─我らが求める完全なる生命を有しながらも何もしないウィスも同罪だ─


─ならば我らが無能なる奴らの代わりに人類を救済しよう。終わりなき生命、悲劇なき世界、自身が中心となり新世界を創生する。どれだけの年月をかけても必ずっ!!─

 だが結果はウィス自身がその終わりなき生命を捨て、自分たちが無価値と決めた人類を救うべく投げ打っている。


理解できない。


理解を拒絶する。


一体何故


何故


なぜ


ナゼ










『何故だ』










 自分達は何を間違えたのだ。

 一体いつ、どこで、何を─

 分からない。

 何故我々はこうも葛藤しているのだ。一体我々はどうすれば良かったのだっ!!


 また1柱、1柱と機能を、存在を停止させていく。


─応えろ─

─ウィス!!─





「──確かに貴方の言う通り人間は愚かな生き物です。幾度となく争いと数多の死を繰り返し、今なお世界で悲劇は続いています。人間は私利私欲にこの星を破壊し、幾度となく地上を血に染め上げてきました。」



「……だがそれが生きるということです。悲劇があるからこそ喜劇は意味のあるものになります。人は決して常に正しく生きることができ
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