終極 ──明日へ──
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また一歩。
また一歩と。
マシュとウィスは共に歩を進める。
盾を前に、前にと押し進め、遂にマシュは─
あああああ───!!!」
ゲーティアの光帯を防ぎ切るばかりか消失させることに成功した。
「何っ!!?」
驚愕を禁じ得ない様子のゲーティア。
自身の絶対の宝具を防がれるばかりかかき消された。
だがそんなことよりもあのウィスが人類史に干渉した。
何故、今頃。
これまで一度たりとも介入することは愚か、干渉することもしなかったあのウィスが。
見れば周囲は彼らの激突の余波を受け、状況を窺い知れない程の悲惨な状態と化している。
巻き上がる爆炎、周囲の場を満たす膨大なまでの魔力の名残り。
マシュとゲーティアの激突により周囲の空間は歪められ、崩壊している。
マシュとウィスの2人はどうなったのか。
生きているのか、それとも死んでしまったのか。
後方でこの場の行く末を見ていた立香は必死で辺りを見回す。
やがて、周囲を覆っていた煙が晴れ、マシュとウィスの姿が現れた。
─マシュとウィスの両者は共に健在であった。
「マシュ、無事ですか?」
「は…はい、私は無事です。ウィスさん、助けてくださりありがとうございます。…っ!ウィ…ウィスさん、体が…!?」
マシュはゲーティアの宝具を防いだ喜びから一転して驚愕の声を上げる。
ウィスの体には亀裂が走り、光の粒子が止まることなく溢れ出していた。今なおその亀裂は時間と共に徐々にウィスの体を侵食し続け、胸元を中心に体全体に広がっていく。
理解できないとばかりにウィスを見つめることしかできないマシュ。
そんなマシュに対してウィスはただ微笑を浮かべ彼女の心臓の位置である胸に優しく手を添えた。
その様子に変わらず焦りは見られない。
胸を触られているのにも関わらずマシュは混乱とした思考の中ただウィスを見つめることしかできなかった。
「マシュ、貴方は生きてください。これは私からのささやかな餞別です。」
途端、マシュは自身の身体へと膨大なまでのエネルギーが流れて来るのを感じる。不思議にも彼女はそれを拒絶しようとはしなかった。
─ウィスが内包しているエネルギーを、もとい生命エネルギーをマシュへと譲渡─
─マシュがこの特異点を巡る旅にて損傷した霊器を、その身体を、魂を回復させ─
─短命という定められた運命を覆す─
「ゥ…ウィ…ウィスさん…?」
ウィスは何も応えない。
ただマシュを慈愛の満ちた眼で見据えるだけである。
マシュは膨大なまでのエネルギーの本
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