終極 ──明日へ──
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それはマシュという1人の少女の深層心理に宿る最も強い想い。
一度は誰もが夢見る儚くも誠実で、未来ある願いだ。
この人理修復の旅はマシュの人生を画期的に輝かしものへと変えた。
多くの喜劇と悲劇を見た。
人の醜さと残酷さを見た。
だがそれ以上に世界の美しさと輝きを垣間見た。
これまで積み重なってきた人類史の歴史と発展の歩み。
救われない悲劇があったかもしれない。
どうしようもない程愚かな歴史が存在したかもしれない。
だがそれ以上にマシュはこのどうしようもない世界が大好きなのだ。
何より大好きなマスターである立香と共に歩んだこの世界を無かったことになどしない。
「く…くぅぅ…!」
ゲーティアの第三宝具などになど負けはしない。
マシュは既に限界を越えた己の身体に鞭を打ち、己を奮い立たせる。
そんな彼女の背中を支える手が─
まさか自分のマスターが来てくれたのだろうか。
マシュは一瞬浮上した考えを即座に放棄する。幾人もの英霊を使役しているとはマスターはただの人間だ。その可能性はありえない。
─ならば一体誰が?─
「安心しろ、マシュ。俺が傍にいる。マシュを決してここで死なせはしない。」
「ウィスさん…っ!…はい!!」
ウィスはマシュの背中を左手で後ろから支え、自らの右手を彼女の右手へと優しく添えた。
途端、ウィスから莫大なまでのエネルギーが迸り、あらゆる攻撃も破ることが不可能な結界が彼ら2人を包み込む。
身体に力が漲り、膨大な量の魔力が身体を駆け巡る。
感じる全能感と絶対感。
先程までの瀕死の状態が?のようだ。
今ならば何でもできそうな気がする。
マシュはウィスの言葉に活力を取り戻す。
マシュは歯を食いしばり、体全体に活力を漲らせ盾を構えた。
ここまでウィスが尽くしてくれたのだ。
必ずやこの光帯を止め、この場を切り抜けてみせる。
「マシュ、これだけは言っておく。マシュは決してあのゲーティアの第三宝具を止めるために生まれたわけじゃない。未来へと生きるためだ。いいな!!!」
「はい!!!」
今なおゲーティアの第三宝具による光帯からの圧倒的熱量の魔力砲弾が続いている。だが今のマシュに迷いなど存在しない。
「あぁぁあぁああ───!
ウィスから譲渡されたエネルギーによりマシュの霊格は一時的に英霊の規格を越えたものなる。瞬く間にマシュの霊格は英霊達の全盛期へと近付き、幻想種を越え、神霊すらも越えた頂上の存在へと進化した。
マシュは後退していた態勢を立て直し、光帯の光線を徐々に押し戻していく。
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