第二十四幕:のんびりさんの虹
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」
時崎「・・・・・」
七夏「こんなに綺麗な七色の虹。私も見れるといいな☆」
時崎「え!?」
七色の虹・・・七夏ちゃんから「七色の虹」という言葉が出てきた!
時崎「七夏ちゃん! この絵本の虹は七色に見えるの!?」
七夏「え!? はい☆ 本当の虹もこんな風に綺麗に見えるのですよね?」
違う! 本当の虹はもっと優しくて、暖かくて、こんな嫌味なほどはっきりと色分けされた「誇張された虹」ではない!
時崎「・・・・・」
七夏「どうしたの? 柚樹さん!?」
時崎「いや、なんでもない」
七夏「・・・・・」
時崎「七夏ちゃん、虹のお話は苦手なんだよね」
七夏「え!? ・・・はい・・・」
時崎「どおして、この絵本を?」
七夏「柚樹さんは、好きですよね・・・虹」
時崎「え!? ま、まあ・・・」
七夏「他の人が好きな事を否定するのって、良くないと思います」
時崎「でも、それだと七夏ちゃんが」
七夏「私は、苦手な事でも、好きになれたらいいなって思ってます☆」
時崎「・・・・・」
七夏「柚樹さんが夢中になる綺麗な七色の虹。私も見れるといいなって思ったのは、本当の事です」
時崎「・・・七夏ちゃん・・・ありがとう。そろそろ、アルバム制作の続きを行いたいから、俺はこれで」
七夏「はい☆ また何かあったら、お声を掛けてくださいね☆」
時崎「ああ」
俺は、七夏ちゃんの部屋を後にした。「アルバム制作の続きを行いたい」というのもあるが、本当はこの場の空気に耐え切れなくなったからだ。七夏ちゃんが今までどんな想いで虹を見てきたのかは、考えるまでもないことだ。だけど、希望も見えてきた。七夏ちゃんは絵本の虹は七色に見えていると話していたからだ。
アルバムに七夏ちゃんからのメッセージを入力し、レイアウトする。次に七夏ちゃんへのアルバム制作に取り掛かる。まず「とびだすアルバム」をどうするか・・・とりあえず、素材だけは集めておく。いくつかの素材の中から候補を選び、フォルダー分けしてゆく。そして、七夏ちゃんの写真をトリミングしてゆきながら、最終的なイメージを思い描いてゆく。骨の折れる作業の為、集中して行った。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
どのくらい時間が経過しただろう。
時崎「んー、少し疲れたな・・・」
俺は、気分転換のため、一階に下りた。
七夏「あ、柚樹さん! お腹すきました?」
七夏ちゃんが声を掛けてきてくれた。
時崎「え!? あ、そう言えば」
七夏「くすっ☆ えっと、おむすびあります。良かったらどうぞです☆」
時崎「ああ。ありがとう!」
七夏ちゃんの作ってくれたおむすびを頂く。おむすびの程よい塩味は、七夏ちゃんと一緒に作った事や、拍手した事を思い出させてくれた。
七夏「柚樹さん
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