第40話 暗躍する影
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side:リィン
学園祭が終わり俺とフィルは孤児院の人たちと一緒にマノリア村に向かっていた。エステルさん達は学園祭の片づけがあるらしくそれが終わったらギルドに報告しに行くと言っていた。
「やったな!これで孤児院が元に戻るんだ!」
「もう、クラムったらはしゃいじゃって……まあ私も嬉しいんだけどね」
子供たちにも事情を話して孤児院を再建させることが出来ると知って全員が笑顔になっていた。
「孤児院が再建されるようで良かったよ。後はその放火した犯人を見つけるだけだな」
「カルナさんもありがとうございます。忙しいはずなのに護衛をしていただいたりして」
「構わないさ、あんな大金をもっていたら危ないからね」
帰る間際にコリンズ学園長がカルナさんに護衛の依頼を頼んでいたらしく今はこうして彼女も一緒に同行してもらっている。
因みにクローゼさんも学園から許可をもらって一緒に同行している、まあ孤児院が放火されたことで心配になっているんだろう。今も同行してくれているカルナさんにお礼を言っていた。
「でも犯人は何を考えて孤児院を放火したりしたんだろうな?」
「エステル達は強盗や怨恨は可能性としては低いって言ってた」
「だとしたら他の目的があるのか……オリビエさん。あなたならどう思いますか?」
「そうだねぇ。物や人が目的じゃないのなら土地そのものが関係しているのかもしれないね」
オリビエさんの答えに俺は疑問を浮かべた。
「土地……といいますと?」
「鉄血宰相は知ってるかな?彼は鉄道を広げるためにその土地にあった民家などをミラで買い取ったりしたんだけど中にはそれを拒んだ者もいたんだ。でもその全員が何らかの原因で土地を手放さなくてはならなくなったんだ。借金をしたり家が放火されたりってね」
「……まさかその鉄血宰相っていうのがやったの?」
「証拠はない。ただ被害にあった人々が土地を手放す事になった原因や事件を調べていると彼の手が入ったような痕跡があるんだ。彼は英雄であると同時に多くに人間から恨まれているのはそういった事があるからなんだ」
「土地か……」
俺たちがそんなことを考えているとカルナさんがため息をつきながら注意してきた。
「こらこら、あんた達……そんな物騒な会話をしないでくれ。放火事件は遊撃士が追っているんだ、下手に首を突っ込まないでほしいな」
「あ、すいません。ただ気になっちゃって……」
「まああたし達が不甲斐ないからこんなことになってしまったんだし汚名返上もかねてしっかりと調査していかないとな」
「はい、お願いしますね」
その後俺たちは何事も無くマノリア村に着くことが出来た。夕食を食べた後に外泊許可を貰ったクローゼさん
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