第40話 暗躍する影
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……ポッ」
ヨシュアの笑みを見たメイドさんは顔を赤くしながら去っていった。む〜……なんか面白くないわね。
「……」
「……」
「あれ、どうしたの?」
「べっつに〜」
「え、えっと……そうだ。どうして侯爵閣下が来ていると分かったんですか?」
そう言えばどうしてあの侯爵がお客さんだって分かったのかしら?
「ああ、カマをかけただけだよ。市長は別荘地を作って各国のお金持ちに売りつけるのが目的だからあの侯爵様なら恰好のお得意さんだと思ってね」
「まあ……」
「もう、悪知恵が働くんだから。市長に招待されているなんて口から出まかせを言っちゃってさ」
「出まかせじゃないさ、初めてダルモア市長に会った時も何か困ったことが合ったら遠慮なく市長邸に来てくれって言ってただろう?」
「あ、そっか」
そんな約束もしてたっけ……言われるまで忘れていたわ。
「だから何の問題もないよ」
「それならOKね、さあ悪徳市長を問いただすわよ!」
あたしたちは市長と侯爵がいるという2階の広間に向かった。
「こんにちは〜。遊撃士協会の者で〜す」
「君たちは……」
「ヒック……なんだお前たちは?」
「あなた方はいつぞやの……」
「こんにちは、執事さん。今日はそちらの市長さんにお話があってきただけだから」
あたしがそう言うとダルモア市長は顔をしかめた。
「困るな、君たち……ギルドの遊撃士ならば礼儀くらい弁えているだろう。大切な話をしているのだから出直してくれないかな?」
「なにぶん緊急の話なので失礼をご容赦ください。実は放火事件の犯人がようやく明らかになったのでその報告にきました」
ヨシュアがそう言うとさっきまで顔を顰めていたダルモア市長は仕方ないといったように観念した。
「……仕方ない。侯爵閣下、しばし席を外してもよろしいでしょうか?」
「ヒック……いや、ここで話すといい。どんな話なのか興味がある」
「し、しかし……」
「いいじゃない♪未来の国王様もそう言ってるし」
「おお、そこの娘はよくわかっておるじゃないか!」
本当はそんな事思ってないけど、この人がいれば上手い事時間が稼げるかもしれないから煽てておいた。
「ま、まあいいか……それよりも話に聞いたんだが、昨日マノリア村が何者かに襲われかけたそうじゃないか。テレサ院長や子供たちは無事だったのかね?」
「彼女たちは無事です。後今回の事件を起こそうとした者は、孤児院を放火した犯人と同一人物だという可能性が出てきました。残念ながら実行犯の一部は逃亡している状況ですが……」
「そうか……だが犯人が分かっただけでも良しとしなくてはな」
な〜に白々しい真似してるん
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