第40話 暗躍する影
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がそう言ってくれただけで俺は嬉しい」
「リート兄ちゃん……」
「約束するよ、また必ずフィルを連れて孤児院に行くって……それまで皆の事を任せたぞ」
「……ぐすっ。へへっ、当たり前だろう!兄ちゃんだってフィルのこと、もう離すなよな!」
「了解したよ」
俺はクラムと握手をかわして皆の元に戻った。何をしていたのか聞かれたが男同士の秘密と言ってごまかした。
「リートさん、フィルさん……本当にありがとうございました。また是非孤児院が再建できたら遊びに来てくださいね」
「はい、必ず行きます」
「バイバイ、テレサ」
俺とフィーはテレサさんと握手をして今度はクローゼさんの方を向いた。
「クローゼさん、フィルがお世話になりました。それに武器まで買って頂いたそうで……でも本当に代金を払わなくてもいいんですか?」
「はい、フィルさんには孤児院の事で色々助けてもらいましたし、結果的にはリートさんとオリビエさんが犯人を見つけてくださったお陰でマノリア村が襲われることはありませんでした。武器の代金はほんの僅かなお礼だと思ってください。
「そうですか……ならそのお気持ちは有り難く頂いておきます」
クローゼさんはフィーの方を向くと手を差し伸べた。
「フィルさん、短い間でしたが色々とありがとうございました。あなたとお友達になれて本当に嬉しかったです。これからもリートさんやご家族の方と仲良く過ごしていってください」
「わたしもクローゼには感謝している。もしクローゼに何かあったらわたしは必ず駆けつけるから」
「フィルさん……ありがとうございます」
フィーはクローゼさんと握手をかわして笑顔でお互いに頷きあった。
「リート君、フィル。ロレントに戻ったらシェラ姉やアイナさんによろしく言っておいてね」
「はい、エステルさんとヨシュアさんも正遊撃士になるための旅、頑張ってください」
「うん、君たちも気を付けてね」
「バイバイ、エステル、ヨシュア」
二人とも握手をかわして最後に俺はオリビエさんに話しかけた。
「オリビエさんはルーアンに残ると言いましたが本当にいいんですか?」
「うん、まだルーアンの名物料理やお酒を堪能してないしこの町にはカジノもあるっていうじゃないか。是非とも行かないとね」
「俺としてはあなたを置いていくのが凄く心配なんですがね」
「おや?もしかして僕と離れ離れになるのが寂しいのかい?いやー、リート君もようやく素直になってくれたんだね。よし、そんな君にはハグをしてあげようじゃないか」
「あはは、そんな訳ないじゃないですか。あなたじゃなくてルーアンの人々を心配しているんですよ」
「そ、そんなはっきり言わなくても……がっくし」
落ち込んだよう
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