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悲劇で終わりの物語ではない - 凍結 -
|聖杯探索《グランドオーダー》開幕
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エネルギーの放出が静まり、吹き荒れていた暴風が止んだ。
 そして目の前には大きく変貌を遂げたウィスの姿が。

 右手に有するは奇抜的なデザインが施された杖。

 服装は何処か魔導士を連想させるダークカラーのローブ姿。

 金色の長髪は黒の短髪へと、瞳の色は紅へと変化している。

 首回りに下がるは水色の大きなリング。

 まるでその場に太陽の存在を幻視してしまうほどの圧倒的な存在感。


 レフは既に眼前の男の正体を看破していた。
 
 この圧倒的な存在感は間違いない。

 間違えるはずなどあるはずがない。

 奴は此の王が存命中に出会った人類史上最も奇怪で特異な存在。

 その名は─

「き…貴様はウィス!貴様っ!よくも、よくもっ…!私の愉しみを邪魔してくれたな!!」

 レフはウィスに対し先程までの比ではない憎悪の念をぶつける。目は血走り、まるでウィスを長年の宿敵の如く鋭く睨みつけている。

 だがこの程度の憎悪でウィスが動じるはずもなく……

「もう貴方の出番は終わりです。」

 ウィスは左手の人差し指をレフへとかざし、指先に高密度のエネルギーを一瞬で圧縮し、集束させる。

 指先へと一点に集束された莫大なエネルギーをウィスは更に圧縮、凝縮し、眼前のレフへ放出した。

 その絶大なる破壊の閃光は一直線にレフへと向かう。

 レフはその膨大なエネルギーを誇る気功波の直撃を受け、瞬く間にその姿を遥か空の彼方へと消滅させた。




─レフは大気圏を貫き、大気に青色の軌跡を残し、その姿を消滅させた─





『『『……』』』





 辺りに広がる静寂。

『いくら裏切り者とはいえこれは流石レフに同情しちゃうなー。』
「レ…レフが彗星になっちゃた…。」
「ファ─ww(ファ─ww)」
「それでは皆さん、カルデアに帰還しますよ。」

 Dr.ロマニはウィスの容赦の無さにドン引きしている。
 モニター越しでもその引き様は切実に伝わった。

 見れば立香とマシュ達もどこか引いていた。マリーに至っては状況が把握できていないのか唖然としている。キャスパリーグはいつものようにウィスとハイタッチを交わしている

『よ…よしっ!皆気を強く持ってくれ!レイシフトを始めるぞ!』
「ちょっと待ってください!このままレイシフトをすれば所長が消滅してしまいます!」

 叫ぶマシュ。

 魂のみの存在であるマリーのことを忘れていた。当の本人であるマリーも今思い出したとばかりに驚きの声を上げている。

「ふむ…、確かに肉体を持ち得ない今のマリーではレイシフトをした途端消滅してしまいますね。」
「そんな…、せっかく私助かったのに…。」


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