10 使えるものは全部使いましょう。
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_「泥水平子、という女を使います。」
人物関係図を書く。
_「彼女の父親は、かぶき町に根を張る清水次郎長…つまり極道です。また彼は彼女の母親よりずっと大事な女性がいた。そのせいで病に苦しんで亡くなった母、また潰された彼女の勢力に代わって恨みを晴らさんとしているようです。今回は、その念を利用します。ちなみに、母親の勢力も極道らしいですわ。」
ペンを置いて、紫煙を燻らす。
_「つまり彼女の恨みの念を利用し、彼女に協力する振りをして華蛇を誘き出す、という作戦ですか?」
_「そうです。いつぞやの事件の時のように、その人に眠る念を利用します。」
晋助をチラ見する。鋭い目線と目があった。
_「だが、それで上手く行く保証はあんのかァ?仮にも鬼兵隊を使うんだぜェ?オラァ、責任を取らなきゃならねェ立場だ。」
_「ええ、分かってる。だから私はその対策を考えた。それは、私が晋助になること。」
_「零杏サン!?それは一体どういうことですか?」
_「だから、この案件を片付ける間、晋助は船から一歩もでないで、変わりに私が、あなたのふりをするんですわ。」
_「オレの身代わりをするってかァ?ソイツァありがてェ話だがな、一体どうやってやり遂げるつもりだァ?零杏。」
_「それは企業秘密ですわ。ですが、一つお教えしましょう。必要なのは総督の髪の毛が1本。それさえあれば十分に持ちますわ。あとは、仮面さえあれば完璧。」
晋助と武市は顔を見合わせて、首をかしげていたが、その間口を開くことはなかった。
_「と、いうわけで話をもとに戻します。計画は、こうです。まず私が晋助に化けて平子をたぶらかします。そして私が彼女に付いて華蛇の居場所をつかみます。その場所を掴んだら、かぶき町に平子を通じて戦争を仕掛けます。それによって彼女の素顔が晒されます。まだ机上の空論ですが、きっと炙り出されるはずです。それを狙って華蛇にタブーを犯させ、それを名目に捕らえます。それで華蛇を春雨に受け渡せば今回の件は落着します。」
_「タブー?なんだそらァ。」
_「今に分かりますわ。かぶき町を知るものは皆、触れてはいけないタブーがあるのですよ。」
ホォ?と晋助がゆらりゆらりと紫煙を燻らす。
_「零杏サン、今度からは一緒に計画を立てませんか?あなたとならうまーくいくのではないかと強く思いまーす。」
ありがたいお話ですが、と微笑んで応える。
_「残念ですが、あいにく私は行動するのが好きなタイプでしてね。計画を実行する側に着きたいですわ。それより、早く計画書を書き上げましょ?」
そうでした、そ
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