第6話 沢山の魔人
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しても 直ぐに勝敗が決まってしまう程の差があった。
「ホーネット様がサテラ達と一緒に来る……と言った時は少し驚きました。今日はどうしたのですか?」
「…………いえ。今日は少々胸騒ぎが。ここにきて、……確信に変わりました」
ホーネットは目を閉じて集中していた。何かを感じ取る様に……。
「どういう事ですか? ホーネット様」
「………」
「ホーネット様?」
「こ、こらサイゼル。あまり 気を散らす様な事するなよ。ホーネット様は今集中しているんだから!」
「わ、判ってるわよー!」
サテラに注意され、サイゼルは慌てて飛びのく様に下がった。
ホーネットはさして気にする様子もなく そのまま目を瞑り続けた。数秒後、ゆっくりと眼を空ける。
「サテラ……」
「あ、はい」
「魔王様の命令は、戯骸を追い返す。でしたよね」
「……はい、そうです」
「………」
確認する様にホーネットはそう聞く。この時サテラには少々違和感を感じた。
誰よりも何よりも魔王の命令を重くに置くホーネットが 再度その内容を自らに聞いてきた事にだ。魔王の命令だけに限らず、発言全てを一言一句違えず覚え、忠実に仕えるのがホーネット。その彼女が聞き直す……何てこと、これまでには一度たりとも無かったから。
と、サテラは思ったのだが それ以上深くは考えなかった。
「シーザーとイシスが中々戻ってこない所を見ると、少々手古摺ってるみたいだ」
「うーん……、アイツって使途だけど能力だけはずば抜けてるからね……。死んでも蘇る不死属性って極めて厄介だし。まっ、炎はハウゼルの方がぜんっぜん強いし! 私がいるから安心して下さいね、ホーネット様」
「こら、サイゼル! あまり調子に乗るな。ハウゼルにも言われてるだろ、変な所でミスするなよ!」
「って、何よ! そんなのサテラだけには言われたくないわ!」
いつの間にか、サテラとサイゼルの喧嘩に発展しだした。
そんな2人に冷やかな視線が突き刺さる。透明化してなかったら直ぐに気付かれそうな視線を。
『サイゼル……。ハウゼルがいない時はサテラと喧嘩する様になったのか?』
『確かに、それは私も思った所だ。……しかし、現在、サイゼルとハウゼルが別行動と言うのも聊か不自然さもあるな。あの2人は離れない。とさえ思っていたのだが』
『……まぁどっちもレベルの低い言い争い、と言うのは変わらない様だが。それにしてもサテラとサイゼル。加えてホーネットまでいるなんて。……国でも滅ぼしに行くのか? って面子だな』
魔人1人でも人間にとっては災害と言って良い相手だ。それが三人。その内1人は魔人最強。即倒ものの光景だと言えるだろう。
ここで少しラ・サイゼルとラ・ハウゼル姉妹について説明をしよう。
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