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ランス 〜another story〜 IF
第6話 沢山の魔人
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 ゾロは笑いだす。傍から見たらホント危ない人…… と言うのはこの際置いておこう。
 兎も角笑い出した意味がいまいち判らないのは仕様がない。笑う場面ではないと思えるし、前触れもなく笑いだしたから。

『おい、いきなりは流石にビックリするぞ……。幾ら長い付き合いだと言っても』
「ははははは。悪い。悪かった。私としたことが 少々不覚だったよ。……ふふ、ここまで笑ってしまうとはな」

 口許に指を当てて笑い続ける。
 その真意が分かったのは直ぐ後の事だった。

「この手のやり取り。主と我とで もう何度交わしたか判らぬよな?」
『ん? あー……似た様なの、と言えば』

 そう、礼を、謝罪を言い合うのはこれが初めてではない、と言う事だ。長く行動を共にし 自然に意思疎通をする様になった時から今日まででもう数える事が出来ない程した。

「それを自然と思い返していた、そうしたら何故か心底笑えた。……くくっ 人間を演じる事が多かった我。……私だったのだがこうやって自然に笑みを。考える前に笑う事が出来た。そう言う感性を得た。人間、と言うもののな。……本当に好ましい。主のおかげだ。これこそが礼だな。新しいものをありがとう」
『あー、あーー、判ったって! なんかこっぱずかしいからもうやめやめ! またエンドレスになる』

 気持ちは判ったがやはり気恥ずかしさがあるのだろう。少々強引だが話しを終わらせる様にした。

「くくっ、そうだな。……では、そろそろ行くか。門がある以上エールたちがアメージング城へ向かうのは実質不可能。……戯骸の件があるから 厄介なのに遭遇しないとは言えないが。一応……最初の方くらいは」
『ああ。陰ながら、ってな。……それと透明化魔法をもうしておくか。見つけられたらまた面倒だぞ』

 透明化の魔法はかなり便利な魔法。消耗はそれなりに激しく、一度攻撃をしたり、されたりすると強制解除されるが、隠密で言えば究極の技能の1つ。
 《脅迫者》《知り過ぎた女》《盗み聞きの魔女》等々の異名を持つ女 クレイン が装備していた ステルススーツの完全上位互換。
 
 ここで少し昔話を――。

 それはLP時代。

 何故かクレインの透明化は まだ魔王になる前のランスには通用しなかったとの事。そしてユーリにも同じく。ランスは『美人の匂い!』 で判断し、ユーリは 『空気の流れが違う。後気配を殺しきれてない』で判断。

 どっちも透明化を看破するという凄まじく凄かったのは違いないが、どっちが尊敬の眼差し…… 良いの意味で凄いと思われたのかは 言うまでもないので割愛。

 閑話休題。
 つまり、非常に便利な魔法ではあるが 消耗が激しく気が付いたら解かれてた、と言う事も十分ありえて、更に攻撃をする、受けるで解除される為扱い
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