親子
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収しきれなかったからなのか、彼の足場が大きく割れる。
「ほう」
「あんたの相手は俺がしてやる」
満身創痍の中強大な敵に立ち向かうことを決意したギルダーツ。それに対しオーガストは、魔法を放つが、間一髪のところで交わされる。
「なかなかの身のこなしだ」
「そいつはどうも」
上着を脱ぎ捨てたギルダーツはオーガスト目掛けて突進。その速度はあまりにも早く、オーガストは目の前にまで来ていた敵が視界から消えたことに驚かされた。
ビッ
目にも止まらぬ速さで背後へと回ったギルダーツ。彼は腕を振るって攻撃を仕掛けるが、難なく交わされてしまう。
「フン」
今度はオーガストの反撃。完璧に捉えたかに思われたそれは、手応えが全くなかった。
「ここだ」
「!!」
手応えがなかった理由、それは彼が捉えたのはギルダーツの残像でしかなかったからだ。完全に虚を付いたギルダーツ。彼は得意のクラッシュでオーガストを粉々にする。
「「「「「オオッ!!」」」」」
瞬殺劇に歓声が上がる。しかし、バラバラに落ちていたオーガストの体が、元に戻り始めたのだ。
「これはまた・・・面白い魔法を使う・・・」
「はぁ!?」
何が起きているのかわからない様子の妖精に対し、オーガストは体を再度バラバラにすると、そのまま敵に突進していき、元通りになるとその拳を彼の腹部へと叩き込んだ。
「がっ!!」
近くの岩山に叩きつけられたギルダーツ。彼を吹き飛ばしたオーガストの体に、傷は一つもない。
「私に勝つことなど不可能だ」
彼がそう言った瞬間、オーガスト目掛けて飛んでるカード。それにいち早く気が付いた彼は後方に飛んで回避した。
「不可能を可能にするのが私の親父なのさ」
そう言ったのはギルダーツの娘であるカナ。得意気な表情を浮かべる彼女は、二人の強者の戦いへと割って入った。
「よせ!!カナ!!来るんじゃねぇ!!」
「親子?ほう・・・親子か」
これまでとは格の違う敵との戦いに参戦しようとするカナを止めるギルダーツ。焦る彼とは正反対に、オーガストは不敵な笑みを浮かべていた。
「親子の絆とその絆をわからぬ魔導士・・・さぁ、どちらがこの戦いを制するのかな?」
岩山に登りある少女の動きを観察しているティオス。複雑な関係が織り成す戦いが、さらなる悲劇を生み出すことを、誰も想像していなかった。
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