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ルヴァフォース・エトランゼ 魔術の国の異邦人
生存戦 1
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で飛来する物体に対して発動する【フォース・シールド】があるじゃないか」
「それは【ディスペル・フォース】など、対魔術用の術が付与された銃弾もある以上、完璧とは言えない。それに剣や槍、素手による攻撃にいたってはより細かい条件起動設定をおこなう必要がある」
「素手だって!? 素手で魔術にかなうものか」
「だから呪文を詠唱する前に――」
「一節詠唱がある」
「言葉を発する前に間合いに入られては――」
「そんなどんくさい魔術師なんかいない」
「心も体も、実戦では思うように動かないものだ」
「実戦、実戦、実戦……。ふん、シーホークを救った騎士爵様は実戦豊富なようだけど、魔術戦についてはどうなのかな」
「魔術のみに縛った戦いなど、お遊びかと」
「なんだと!?」
「問題解決にあたり魔術が有効なことは確かだ。だが大切なのは、問題に対してより柔軟に対応することで魔術はその手段のひとつにすぎない。往々にして魔術師は魔術を使うことに意識が向かいがちだが、これは本末転倒と言える。魔術というのは奥が深く、幅が広い。それも様々な方向に。魔術戦において必要とされる才能は、極めて多岐にわたる。
どのような技術、知識、才能であれ武器にすることはできる。武器にしなければいけない。純粋な魔術のみに縛った戦いは、あくまで訓練や練習。もしくは遊戯の類としか思えない」
「長々と屁理屈を!」

 秋芳のこの態度が魔術至上主義の連中に反感を持たれた。
 そこで本当の魔術がどういうものか教えてやると、上級生らに言いがかりをつけられて勝負することになったのだ。

「俺は不調法者だから、作法にのっとった魔術決闘のルールは知らない」
「ならシーホークで見せた実戦でいいから来い」
「素手で打ちかかっても?」
「ああ、やれるものならやってみろ」

 そういうことになったのだ。
 そして、そのとおりにした。
 相手が詠唱を終える前に、一足飛びに駆けて喉に手刀を叩き込んだ。
 一瞬である。

「おまえは野獣か」「優雅ではないわ」「今のは野蛮人の戦いかただ」

 非難轟々、総スカンとなった。

「おかしなことを言う。俺は実戦(ケンカ)でいいから、素手でいいから来いと言われたのでそうしたまでだ。おまえたち、レザリア王国と戦争になっても相手の兵士におなじことを言うのか? アルザーノ帝国(このくに)の魔術とは、軍事技術。殺すため殺されぬための実戦術じゃないか。とにもかくにも敵をたおし、自分が生き残ることを最善とするのが基本であり、神髄のはずだ、ちがうか?」
「ぐぬぬ……」

 この発言は他の多くの生徒たちの闘争心に火をつけることになった。
 これにより改めて『正しい』決闘を望むものが続々と名乗りでた。

 正しい決闘とは。
 1)生徒間の揉め事を魔術に
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