ペルソナ3
2021話
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の料理を買っていった筈だし。
ああ、でも屋久島でバーベキューをやった時に、ゆかりが焼いた肉とかを食べた事はあったな。……あれを、手料理に入れてもいいのかどうかは、正直なところ微妙だと思うのだが。
そんな風に考えていると、梨沙子はあらあらうふふと笑みを浮かべる。
「で、本当に何しに来たのよ」
改めて母親に問い掛けるゆかり。
娘が学園祭で活躍しているというのを見に来たと先程言っていたが、それを本気で信じる事は出来ないのだろう。
これまでの母親との軋轢を考えれば、その意見は当然だった。
実際、梨沙子も改めてゆかりに尋ねられると、少し困ったように笑みを浮かべる。
元々気の弱そうな性格をしているだけに、娘に強気で問われれば、すぐに答える事が出来ないのだろう。
「その、武治さんから、ゆかりが色々と頑張ってるって話は聞いてたのよ」
梨沙子の口から出たのは、ゆかりにとっても……そして、俺にとっても完全に予想外の名前だった。
いや、元々桐条グループの分家の出身である以上、武治と梨沙子の面識があっても不思議ではない。
寧ろ、同じ年代の子供を持っているという意味でも、親しくなる理由は十分にあった。
……梨沙子の方は、自分の夫にしてゆかりの父親に桐条グループがした事を考えれば、色々と複雑な感情なのは間違いないのだが。
「……桐条先輩のお父さんに?」
「ええ。……もっとも、ゆかりにちょっと用事があったのは間違いないけど」
「……何?」
「その、私……再婚しようと思ってるの」
梨沙子は、ゆかりをしっかりと見ながら、そう告げるのだった。
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