ペルソナ3
2021話
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に、俺は一瞬どう対応しようか迷うも、恋人の母親は無碍に出来ないだろうと判断し、口を開く。
「俺はアクセル・アルマーです」
「あら、やっぱり外国の方なの?」
「ええ、まぁ」
正確には外国……外の国じゃなくて、外の世界、異世界の出身なんだが、まさかそれをここで言う訳にもいかないだろう。
もしそれを口にしてしまえば、精々が冗談として受け取られる事になるだろうし、最悪の場合は俺を危険人物という風に見られる可能性が高いのだから。
「それで、アルマー君だったかしら。貴方と娘は、付き合ってるのかしら?」
「ちょっと、アクセルは今、関係ないでしょ!」
梨沙子の言葉を遮るように、ゆかりがそう告げる。
いやまぁ、その言葉が正論なのは間違いないが……なら、この場に俺を連れてくるってのは正直どうなんだ?
ゆかりにしても、突然母親が姿を現した事で、色々と混乱しているのだろうが。
「あ……その、ごめんなさい。ちょっと気になったから」
梨沙子の方も、ゆかりに対しては色々と後ろめたい事があるのか、そう言って口を噤む。
ここで強気に出れば、ゆかりの方も色々と反応のしようがあるんだろうが……気の弱さからか、それとも後ろめたさからか、どうしてもここで1歩退いてしまうんだよな。
ゆかりはそんな母親の様子を見ると、気を取り直すようにして口を開く。
「それで、何で急に来たの?」
「急にって言っても……娘が参加している学園祭だもの。興味を抱いてもおかしくはないでしょう? それに、まさかゆかりが料理の店をやるなんて……」
驚くところはそこなのか?
いや、でもそう言えば、俺も何だかんだとゆかりの料理は食った事がなかったな。
もしかして、実はゆかりって料理が出来ないとかじゃないよな?
「別に私は料理が出来ない訳じゃないわよ。寮でも自炊とかはしてるし」
「そうなの? でも、前は……」
言葉を言い淀む梨沙子。
この様子を見る限り、ゆかりは以前料理がそこまで上手い訳でもなかったのだろう。
もっとも、ゆかりが母親と離れたくて月光館学園に来たのは中学生の頃だった筈だ。
そう考えれば、料理がそこまで得意じゃなくてもおかしくはない……のか?
まぁ、俺みたいに今くらいから料理をするといった事をするのも難しい訳ではないのだから、そう考えればこれから次第ってところか?
「前は前。私がお母さんと離れて暮らすようになってから、どれくらい経ってると思ってるのよ」
「まぁ……ねぇ、アルマー君。ゆかりの料理は食べた事がある?」
「いや、ないですけど……」
梨沙子は娘の様子に構わず、俺にそう尋ねてくる。
実際、俺がゆかりの手料理を食べた事はなかった……筈だ。
花見に行った時とかも、結局出来合い
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