ペルソナ3
2021話
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か?
もっとも、今こうして見ている限りでは、ゆかりの母親は男と一緒という訳ではなく、自分1人だけで月光館学園にやって来ている。
もしゆかりが言っていたような性格であれば、ここに来るにも男と一緒に来るんじゃないのか?
実際にどんな人物と付き合っているのかというのは、俺にも分からないが。
「ちょっと、アクセル。あんたも来るのよ」
母親と一緒に先に進んでいたゆかりが、俺がついてきていないのを見て、不満そうに言う。
「は? 俺も行くのか?」
こっちは親子2人きりにした方が話は上手く進むんじゃないかと、そう思っていたから、この場に残ろうとしたんだが……
「当然でしょ」
何が当然なのかは分からないが、ともあれ、ゆかりに言わせればそういう事らしい。
いやまぁ、一緒に来いって言うのなら、そうしないでもないが。
そうしてゆかりの側にいくと、ゆかりの母親は俺に視線を向けてくる。
ゆかりとの間は緊張したものがあるにも関わらず、俺を見る視線の中にはどこか好奇心があった。
今までのやり取りから、俺とゆかりがどういう関係なのかというのは、当然理解しているのだろう。
……そう言えば、俺が付き合っている相手の両親ときちんと挨拶をするのは珍しいな。
あやか、千鶴、円、美砂のネギま世界出身の4人の両親とは会った事があるが、それ以外だとこれが初めてじゃないか?
俺が色々と特殊なのは、認めざるをえないのだが。
ともあれ、そんな感じで俺達は2-Fの教室に向かう。
教室まで行く途中で何人かの顔見知り……同級生でも今は仕事がなくて学園祭を見て回っている連中と遭遇する事もあったが、その連中も俺の方を見ると驚きを露わにしていた。
俺とゆかりだけがいるのであれば、そこまで驚くような事もなかっただろう。
だが、今回の場合は俺以外にもゆかりの母親がいる。
それが、俺に驚愕の視線を向けていた理由なのは間違いなかった。
そうして、やがて俺達3人は2-Fの教室に到着する。
幸いにも、休憩室として使える教室は他に幾つもある為か、2-Fの教室の中には誰の姿もなかった。
机や椅子も他の教室に移動しており、パイプ椅子が幾つか並んでいるだけだ。
……休憩の為の椅子なら、別に俺達がいつも使っている机の類でもいいと思うんだが……やっぱり椅子は机とセットになっている椅子じゃなくて、パイプ椅子の方がそれらしいのだろう。
ともあれ、教室の中に入ると俺達……俺、ゆかり、ゆかりの母親の3人は、それぞれ椅子に座って向き合う。
妙な沈黙が教室の中に満ちる中、最初に口を開いたのはゆかりの母親だった。
「初めまして、私はゆかりの母親の梨沙子といいます。貴方は?」
笑みを浮かべてそう告げてくるゆかりの母親……梨沙子
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