ペルソナ3
2020話
[2/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ないけど」
「……止めておく」
料理に自信がないのか、男はあっさりとそう言う。
やってみれば、そんなに難しくはないんだけどな。
いや、勿論手の込んだ料理とかになれば色々と難しいのは間違いない。
だが、俺がやってる料理なんか、そこまで難しいものじゃないのは事実だ。
多少の慣れは必要だろうが、野外でバーベキューとかをやる時は、こういうのが出来た方がモテたりするんだが。
まぁ、本人が必要ないって言ってるんだから、今更それを言ってもしょうがないか。
「ステーキ!? 嘘だろ、学園祭の出店でステーキが食えるのかよ!?」
「はい、そうですよ。しかも、聞いて驚く事なかれ……A5ランクの牛肉を使ったステーキです! もっとも、レアとミディアムレアは無理ですけどね」
客寄せの女が、メニューを見て驚いている男に対してそう告げる。
男はレアでステーキを食べるつもりだったのか、その言葉に少しだけ残念そうな気がする。
だが、それはしょうがない。
俺を含めて、しっかりとしたレアでステーキを焼けるなんてメンバーは誰もいないんだから。
いや、やろうと思えば出来るかもしれないが、正直なところ俺はレアと生焼けの違いすらよく分からない。
そんな俺がレアのステーキを焼こうものなら、それこそ最悪食中毒で屋台が閉鎖という事態にも……いや、それどころか学園祭そのものが中止になる可能性も否定は出来なかった。
そんな訳でステーキはレアとミディアムレアは無理で、火を完全に通したウェルダンのみとなる。
クラスの中には、折角のA5級の肉がそれだと勿体ないって主張するような奴もいたんだが、本職の料理人って訳じゃない俺達が作るのを考えると、やっぱり完全に火を通した方が安全だった。
勿論、自分達だけで食べるというのであれば、それこそレアとかでもいいんだが。
「じゃあ、ステーキ100g。ソースは……えっと、和牛のA5ランクなんだよな?」
「はい、そうなります」
「じゃあ、醤油とワサビで」
客からの注文が入り、常温に戻しておいた牛肉に塩・胡椒を振る。
本来なら、塩は今のように焼く直前でいいんだが、胡椒は肉を焼く15分から20分くらい前に振った方がいいらしい。
これも荒垣から習った事だが、胡椒というのはマスキング効果……とかいうのがあって、ようは肉の臭み消しが主な効果なんだとか。
そんな訳で、ある程度の時間が必要になるらしい。
もっとも、この月光祭という学園祭ではそんな事をするような余裕はないので、焼く直前に塩と一緒に掛けているのだが。
まぁ、学園祭とかで食べる客だって、別に美食を求めている訳ではない。
言い方は悪いが、そこそこの味であれば十分満足する。
……ちなみに、ワサビの方はチューブのワサビだが、本わ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ