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おぢばにおかえり
83部分:第十二話 制服その九
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第十二話 制服その九

「女の子は皆お姉さんなの?」
「それかお母さんね」
 話が一気に所帯じみたものになってきました。
「そう考えるのね」
「じゃあこの制服って」
 自分の制服を見ながら言います。
「お母さんのエプロンと同じなのね」
「そう考えると急に可愛さがなくなってきたわよね」
「そうよね」
 本当にこう思えてきました。
「エプロンと同じだって思うと」
「はっぴもそうよね」
 今度ははっぴが話に出ました。
「あれだってひのきしんの時には絶対に着るし」
「そうなるわね」
「お母さんと同じだなんて」
「けれどよく考えたらそうかも」
 彼女は少し首を考えて私に言ってきました。
「よく考えたらって?」
「だって。昔はあれよ」
 昔のことを私に対して言うのでした。
「十六歳っていったらもう結婚していたじゃない」
「それで子供がいても不思議じゃなかったのね」
「教祖は十三歳で結婚されたじゃない」
 教祖のお話も出ました。
「それ考えたら普通じゃないかしら」
「私達の歳で子供がいても」
「不思議じゃないわよね」
「何かそう考えたら」
 急に話が制服の着こなしとかからお母さんみたいな話になりました。まだ十六歳って考えていたけれどもう十六歳なのかも知れません。
「彼氏がいてもおかしくないのね」
「っていうか旦那様」
 やっぱりここに話がいきます。
「私もちっちもね」
「じゃあ愛しの要潤さんなんかは」
 どうしても特撮の俳優さんが好きで。特に仮面ライダーやってらした方が。
「どうかしら」
「ちっちまたつむじ見られるわよ」
 いきなりこう言われました。
「要潤さんって背が高いじゃない」
「ええ」
 確か一八〇は平気で超えていました。特撮の人って男の人も女の人も普通に背が高くて。男の人だと一七五を超えるのは普通です。私にとっては夢みたいな数字です。
「だからそれこそ」
「けれどあれよ」
 私は少しむっとした顔になって言いました。
「子供ができたら二人の中間で」
「そうはならないのよ」
「えっ!?」
 今の言葉で思わず凍ってしまいました。
「どっちかになるんだって」
「どっちかっていうことは」
「そう、大きくなるか小さくなるか」
 そんなことになったら。それこそ。
「おみちだとまあ女の子が小さくなるわよね」
「それって立派ないんねんじゃないっ」
 思わずいんねんを口にしちゃいました。
「うちは代々女の人は小さいのよ。それが私の娘にまで続いたら」
「牛乳飲んだら?」
 うわ、子供の頃からずっと言われてきた言葉です。
「かなりいいらしいわよ」
「ずっと飲んでるわよ」
 今だってそうです。ちょっと何か飲んだりする時があれば。
「それでも伸びないのよ」

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