83部分:第十二話 制服その九
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「豆乳は?」
「それもよ」
豆乳もいいらしいんで飲んでいますけれど。それでもやっぱり。
「けれど全然なのよ」
「伸びないのね、本当に」
「お母さんだって小さいし私も妹達も」
「それはまた見事ないんねんね」
「でしょ?だから困ってるのよ」
多分これって私だけじゃないでしょうけれど。絶対おみちの女の人は小さい人が多いです。とにかくそれだけは私の目から言えます。
「お父さんは結構大きいのね」
「随分強い遺伝子なのね」
それもあるでしょうけれど。とにかく。
「女の人が全員小さいっていうのも」
「一番高い人で一五四よ」
大体一五五ないと小柄ですよね。私の血筋は女の人でそこまである人は一人もいません。私なんかそれこそもう少しで一五〇ないところでした。
「一番低い人で一四八ないかも」
「一四八っていったら」
彼女はそれを聞いて首を傾げながら言ってきました。
「あれ?魚住りえアナと同じ位よね」
「多分」
あの人もかなり小さいですね。だから何か凄い好きなんですけれど。
「一六〇は欲しかったのに」
「ささやかって言うのかしら。贅沢って言うのかしら」
「私にとっては贅沢よ」
自分ではそう思っています。
「背のことは。十センチ、せめて六センチ」
「本当に切実なのね」
「これで子供まで小さかったら本当にどうすればいいのよ」
言っても仕方ないことですけれど言わずにはいられません。
「小さい小さいって子供の頃からずっと言われていたのに」
「高校の制服着ていないと今でもやばいしね」
「小学生みたいってこと?」
「はっきり言えばそうよ」
これもずっと言われていました。中学校時代から。
「悪いけれどね」
「小学校の頃は幼稚園だったわよ」
四年生まで言われていました。
「そこまで幼く見えるのかしら」
「見えるわね、実際に」
「うう・・・・・・」
反論ができません。そこまではっきり言われたら。
「童顔だし本当に小さいし」
「否定できないのが・・・・・・」
「制服だって何か丈が長く見えるしね」
「そうかしら」
「見えるわよ、実際に」
また言われました。
「けれどそれが似合ってるのよ」
「そう言ってもらえると嬉しいけれど」
似合うって言われたらやっぱり嬉しいです。とりあえずは。
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