暁 〜小説投稿サイト〜
SAO−銀ノ月−
「『あるばいと』として当然です」
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足りずに、燃え残りの葉がカッターとしてアルゴを襲う。カッターから命からがら逃げながらもアルゴがショウキの名を叫ぶと、キズメルがエルフたちに号令をかけて、ショウキとともに呪いの大樹へ瓶を投擲していく。それはプレミアとユイに頼んでエルフたちに配って貰った、リズベット武具店特製、鍛冶用の油であり、火炎瓶で炎上した呪いの大樹へ多量の油がぶちまけられる。

「火を鎮めるまじないを使えるものは引火を防げ! そうでないものは私に続け!」

 火炎瓶と油などという中世の戦争よろしい方法で、カッターと化す樹木部分が炎上していく。ショウキが先に試したように本体には火に耐性でもあるのか、まるで燃え盛りはしなかったものの、それが仇となってアスナが施した氷の拘束はまだ残っていて。周辺のエルフの森への引火などが非常に恐ろしかったものの、引火程度ならばエルフに伝わるまじない――魔法でどうにかなると、キズメルからの太鼓判を受けて、事実どうにかなっているらしい。

「あー、死ぬかと思ったゾ」

「……ちなみに、なんで火炎瓶なんて持ってるんだ?」

「それくらい淑女のたしなみとしては当然だナ」

 その鈍重さを補うためにあった全方位カッターと、石化の呪いのための拳を封じられた呪いの大樹。引導を渡してやろうとキズメルとアスナに続いて、エルフたちが違わぬ連携で一転攻勢を仕掛けていく。あの連携に交じれるのは、その動きを知っているらしいアスナぐらいだろうと、森に引火しようとしている火を鎮火させるエルフたちを手伝うことにしたショウキの背後に、多少ながら傷ついたアルゴが着地して。

「淑女のたしなみ……ショウキ、わたしも『かえんびん』を持っていなくてはいけないようです」

「……プレミアが影響を受けるから変なことは言わないように。ありがとうなプレミア、ユイも」

「いえ、役にたてて何よりです! ですが、あんなにいっぱいの油、どうしたんですか?」

「っ……」

「お店の油です。ほとんど投げてしまいましたが」

 エルフたちのように便利な魔法は使えないが、自分達なりに鎮火作業を行いながら。エルフたちに共に投擲してもらう分を配ってくれた二人に、改めてお礼を言っておくと、ユイから逃れられない現実が言い渡される。髪の毛をクシャクシャと掻いて黙りこんでしまう助手に代わって、頼りになる新人アルバイトが真実を述べてくれて。

「……よく覚えてるな、プレミア」

「『あるばいと』として当然です」

「あー、まあなんダ。リズに謝るぐらい付き合ってやるヨ」

「やあぁぁぁ!」

 リズベット武具店特製、鍛冶用油が在庫切れのお知らせ。どうにか店主に謝って自腹で入荷しようと考えながら鎮火作業を終わらせれば、偶然にもあちらではアスナが呪いの大樹へとソードスキルを直
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