「『あるばいと』として当然です」
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鍛冶スキルばかり上げているだろうに、戦闘は大丈夫かとアスナが問うてくるが、あの程度の相手ならば問題ないだろうと両拳を開けたり閉じたりして。そんなショウキの様子を不思議そうに眺めていたものの、聞いている暇はないとばかりに、アスナはやはり閃光のようにワーウルフへ走り出した。
「さて……!」
ナイスな展開じゃないか、とショウキは自らを鼓舞しながら、突撃するアスナの代わりに馬車を守るようにその場に立って。ワーウルフがカギ爪でこちらを切り裂かんと、上段から振り下ろしてきた一撃を、左腕に出現させたバックラーで受け流すと、無防備な腹部に右腕に出現させたナイフを突き刺した。
「せっ!」
腹部に突き刺さったナイフはそのままワーウルフにプレゼントし、グラリと身体を揺らして垂れた頭を、重力と力任せに両手持ちのメイスが叩き潰した。ポリゴン片と化したワーウルフからナイフを回収して、先のバックラーのようにストレージに収容する。
ソードスキルを伴った武器を、自在にストレージから出現させ、そして回収する。OSS《サウザンド・レイン》は無事に力を発揮していた――実際の効果の違いはともかくとして。内心、このOSSを秘伝書として渡してくれたレインに感謝しつつ、アスナの支援……は必要ないらしいと、次は鞭を取り出すと、馬車に向かっていたワーウルフを拘束する。
「こっちだ!」
馬車の方に向かわせるわけにはいかない。胴体に巻きつき継続ダメージを与え続けた鞭が煩わしくなったのか、ヘイトを馬車からショウキに向けるワーウルフが、鞭の拘束などものともせずに剛腕を横薙ぎで振りかぶる。
「……悪いな」
その一撃をショウキが身体を翻して避けてみせれば、背後からショウキに襲いかかろうとしていた別のワーウルフに、鞭で拘束されたワーウルフの剛腕が炸裂してしまう。鞭による動きの誘導をしていた本人だとはいえ、仲間を殴らせて悪いと思った気持ちを素直に伝えながらも、武器を両手持ちの鎌へと変えると。とにもかくにも切れ味だけを優先させたその一撃は、二体のワーウルフの胴体を切り裂き上半身と下半身を分裂させた。
「アーたん! ショウキ! 乗レ!」
「ッ!?」
「これなら!」
しかしキリがないと考えてしまったところで、背後からアルゴの声が響き渡るとともに、馬車がショウキを弾いてしまうほどの勢いで走ってきた。驚愕しながらも馬を操縦するアルゴの意図を察し、翼を広げて飛翔することでなんとか空中に避けて馬車に着地する。アスナも同様に着地するのを確認した後、アルゴはさらに馬車のスピードを上げるとワーウルフたちを突き放していく。それでも馬車を追おうと疾走するワーウルフには、アスナから痛烈な氷魔法が炸裂する。
「お疲れ様です。ショウキ、師匠」
「こうして
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