「『あるばいと』として当然です」
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トと同じ……」
「そういうことダ。こうも同じ種類のクエストが連続すると、何か怪しい感じが醸し出されてくるよナ? だが――」
「妙ですね。50層までを解放して、第二弾グランドクエストが予定されている今、そんな連続クエストがあるなんて」
「……流石はアーたんの娘ダ。賢いナ」
そしてアルゴは知り合いを戦士として提供する約束を勝手に交わし、プレミアの戦闘訓練が終わればショウキたちに話をしてみるつもりだったが、偶然にも先にアスナに連れられて来てしまったと。さらに第二弾グランドクエストが実装されようとしている今、こんな他種族まで巻き込んだ大型クエストがあることすらおかしいとまで語るアルゴが、ショウキにだけ気づくようにプレミアを怪しむような視線を向ける。
――その視線は、まるでこの連続クエストの始まりは、プレミアが現れたことだと言わんばかりで。
「そんなわけでアーたん。残念だガ、あのキズメルと前のアインクラッドでのキズメルは……」
「……うん。顔が同じだけの別人ってことだよね」
「ママ……」
……そんなプレミアへの視線が嘘だったかのように、次の瞬間にはアルゴはアスナへ痛ましく話しかける。言われてみればショウキにも、キリトとアスナが攻略したキャンペーンクエストの話を聞いたことがあり、確かにエルフの話だった記憶もある。あのキズメルと呼ばれたエルフと、以前に何かあったようだが……そこは彼女でしか知るよしはないと、ショウキは踏み込むことはせず。
「でも良かった。別人とはいえ、もう一度キズメルに会えて……ありがとう、アルゴさん」
「……別に礼を言われるようなことじゃないだロ。それより――おわっ!?」
「プレミア!」
恐らくは、これからエルフたちと共闘して、クエストをクリアする――といった旨のアルゴの説明が入ったのかもしれないが、それがショウキたちにもたらされることはなく。突如として発生した、馬車から振り落とされかねない衝撃に、アスナにアルゴ、ショウキはどうにか近くにあった物を掴んで落下を防ぎ。ショウキがプレミアを掴むことに成功し、ユイは妖精となることで一同は難を逃れた。
「ありがとうございます、ショウキ。しかし、一体どうしたのでしょう」
「おい! どうなって……っテ」
プレミアの呑気な声をバックに。馬車に設えられたカーテンを引いて正面を見ながら、馬を引いている筈のエルフに文句を言いつけたアルゴだったが、馬車を牽引する馬に乗っている者は誰もおらず――いや、強いていえば。エルフの御者のような形をした石像が、落馬するその瞬間まではそこにはあって、地面に叩きつけられ砕かれた音が響き渡った。
「――敵ダ!」
「プレミアはどこかに掴まって、アルゴは馬を頼む!」
「はい」
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