暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
ペルソナ3
2019話
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の俺の姿を見て、人型だという事は認識出来ても、俺という個人を認識するのは不可能に等しい。
 また、何らかの手段でこっちの正体を探っても、桐条グループの力があれば誤魔化す事は容易だろう。
 そんな訳で、俺は特に何も心配する事がないままに力を振るえる。

「台風という現象そのものを燃やす……か。まぁ、普通に言っても誰にも信じられないだろうな。ああ、でもシャドウミラーの面々やネギま世界の人間なら信じられるか?」

 そんな風に考えつつ、俺は魔力を練り上げていく。
 腕が白炎となるが、着ているプロテクターが燃えたり溶けたりといった事はしない。
 この白炎はその色を見れば分かるが、当然のように普通の炎ではない。
 俺の魔力によって生み出された炎である以上、俺が燃やしたくないものは当然のように燃やしたりといった真似はしない。
 逆に、俺が燃やしたいものであれば、それが台風という自然現象であっても容易に燃やす事が出来る。

「さぁ……燃やそうか」

 呟き、俺の前に幾つもの白炎の塊が生み出されていく。
 白い炎……というだけであれば、温度によって普通に存在する。
 だが、俺の前に現在存在する白い炎は、そのような炎ではなく、俺の魔力によって生み出された炎だ。
 ……いや、普通に考えてこの強風の中で炎が吹き飛ばされもせず……それどころか、『風? 何それ? 何か拭いてる?』と言わんばかりに全く関係なくそこに炎が存在しているという時点で、それが通常の炎という事ではないのは明らかだろう。

「愛」

 一応、炎で台風を燃やし尽くせるかどうか、これが初めて試す行為であるので、念の為に精神コマンドの愛を使用する。

「さて……燃えろ、台風!」

 その言葉と共に、白炎が見る間に巨大になって広がっていく。
 空間そのものを燃やす……とでも表現すればいいのだろうか。
 白炎は四方八方に広がっていき、そこに存在する台風を燃やしていく。
 もしこの光景を誰かが見ていたとしても、何が起こっているのかは全く分からなかっただろう。
 当然だ。何しろ、現在燃えているのは下に生えている木の類ではなく、台風という現象そのものなのだから。
 そうして猛烈な炎は、何も知らない者が見れば空間を白炎が燃やしている光景に、美しさすら感じられるだろう。
 そうして白炎の華が幾つも空中に咲き誇り……やがて、台風そのものが急速に勢力を減衰していく。
 台風によって生み出されていた強風そのものが、白炎によって燃やされているのだ。
 この光景は当然と言えるだろう。
 そうして数分が経つ頃には、周囲に吹きすさんでいた強風は既に完全に消滅して、無風……とまではいかないが、微風と呼ぶ程度の風になっていた。
 何も知らない者がこの光景を見れば、台風があったなどとは
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