81部分:第十二話 制服その七
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第十二話 制服その七
「天理教ってやっぱり女の人が強いわよね」
「男の人も欠かせないけれどね」
なお天理教では婦人会というものがあります。他にも女子青年会なんていうのもあります。どちらも、特に婦人会はうちのお母さんも入っていて天理教を支えています。
「やっぱり女の人よねえ」
「その割には」
それでもふと思うことが一つ。
「何でそれで天理高校女の子少ないのかしら」
「あれっ」
実はそうなんです。天理高校は奇麗な女の子が多いですけれど男の子との割合は大体三対二辺りで。どうしても女の子の方が少ないんです。それで男の子は天理教にいる他の女の人に声をかけたりしているのかも知れないです。その辺りはよくわかりません。
「そうじゃないの?何でだろ」
「そういえば」
私の言葉に彼女も首を傾げます。
「そうよね。どうしてかしら」
「これもやっぱり何かあるのかしら」
「修養科は女の人が多いそうね」
「らしいわね」
修養科は三ヶ月詰所に住んでそこから修養科の教室で天理教のことを勉強したりひのきしんをさせてもらったりするところです。私のお父さんも一回この人達の担任で教養掛といったのをしたことがあります。それは一月でその間お母さんが家のことは取り仕切っていました。そういえばお父さんがいなくても家は平気で動いていたような。お母さんがそれだけ凄いってことでしょうか。
「確か」
「何でそれでうちの高校は女の子が少ないのかしら」
私はこのことに首を捻るばかりです。
「東寮だって小さいし」
「男の子の北寮なんてとても大きいのにね」
「そうよね」
考えれば考える程わかりません。
「どうしてかしら」
「まあ考えても答えは出ないかも」
彼女が言いましたけれど私もそれに納得してきました。
「これって」
「女の子にしては彼氏選び放題だし」
「どうしてそうなるのよ」
何かしょっちゅうこんな話になります。
「だって。男の子の方が多いし」
「おぢばは女の子自体が多いわよ」
同時に大人の女の人も。恵まれてる環境なんでしょうか。
「だから一緒でしょ」
「そうかしら、やっぱり」
「世の中甘くないみたいよ」
何か大人ぶった言葉になっちゃっていますけれど。
「案外。彼氏ゲットするのは難しいみたいよ」
「ちっちはどうなのよ」
「私?」
「ええ。どうなのよ、そっちは」
私に尋ねてきました。
「全然彼氏とかの噂ないけれど」
「私のことはいいじゃない」
自分のことを言われると。かなり弱いです。
「それは別に」
「よくないわよ。折角可愛いのに」
「可愛いって」
自分でも顔が赤くなるのがわかります。
「そんなことは。別に」
「別に、じゃないわよ」
けれどまた突っ込まれます。
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