第27話 黒狐の暗躍
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ずに御苦労なことだ」
「3年前の大敗の傷が癒えましたし、来年は評議会選挙ですので、支持率アップの為の様です」
「ふ。くだらんな。しかしそれだからこそ、我がフェザーン自治領は動きやすくもある」
「同盟侵攻の情報、レムシャイド伯に連絡致しますか?」
「ここ2年ほど、帝国も同盟も大規模戦闘を避けた為に、フェザーン自治領の利益を損なう状態であったし、アルレスハイムでは帝国が一方的に損害を受けた。そうなれば、そろそろ同盟にも出血して貰わないとバランスの関係上些か不味いからな」
「では、一両日中にレムシャイド伯に伝えます」
「ボルテック、ジリコフスキーにイゼルローン攻撃の細評を探るようにな」
「はい、後方勤務本部で良い人材を更に見つけたようです」
「あの横流し大佐は脅すだけではなく飴をしゃぶらせておけば役に立つだろうが、それ以上の人材か」
「はい、士官学校卒業席次18位で後方勤務本部に配属された人材です」
「18位で後方勤務本部とは、未来の後方勤務本部長と期待されている人材ではないか?
そのような人物が、簡単に情報を漏らすだろうか?」
「そうとも言えないようです。何でも士官学校で戦略戦術家としては落第だと評され、
その為に後方勤務本部に配属されたと言うのが真相です」
「その様な人材、使えるのか?」
「自意識過剰で、自らを天才と称しているそうですが、未だに統合作戦本部や宇宙艦隊の参謀職に就く願望があるらしく、何かにつけて作戦案を私案として提出しているようです」
「ほう、でその作戦案は使える物なのか?」
「いえ、固定観念に囚われ過ぎているようです」
「ふむ、益々役に立たないのではないかな、もっとも使いようもあるだろうが」
「評議会議員のロイヤル・サンフォードと親しい間柄だそうです」
「ほう、政治力だけは一人前と言う事か」
それに、事務能力は折り紙付きらしく、後方勤務本部長も期待はしているようです」
「しかし、本人はそれに納得して居ないと言う訳か」
「心地よい聞き心地のいい甘言で惑わせば、情報を知らずに漏らさす事が可能と思いますが」
「うむ、ではジリコフスキーに手はずを整えさせるのだ」
「はい」
鏡を見たルビンスキーが心の中で呟いている。
ふ、アドリアン・ルビンスキーよ。お前の掌で帝国も同盟も踊るのだ、楽しいではないか。
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