三十五
[8]前話 [2]次話
夜もすがら
人そ恋しき
花冷の
月もなからむ
空ぞうらめし
春も半ばに差し掛かろうと言うのに、この夜はやけに冷え込む…。
一人でいると何とも寂しく…あの人を恋しく思ってしまう…。
空には雲が掛かり…月も見えず、ただ闇が漂う…。
こんな寂しい時は、ずっと月を眺めていたいものを…。
春の夜は
僅かなりしと
明けにける
朝来たらば
夢そ散らばや
春の夜は短い…然して時もなく暁を迎えてしまうものだ…。
物思いに耽っていれば、直ぐに夜は白み始め…朝が来たのだと分かれば、思う夢さえも花が散りゆくように散ってゆく…。
忘れ得ぬ想いさえも…散って消えゆけば楽なものを…。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ