第70話『VS.魔王軍幹部』
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、お前」
「どういう、ことよ…」
「は、俺が図ってるってことだよォ!」ブワァ
「何…!?」
大怪我を負ったにも拘らず、どこか生き生きとした様子を見せるブラッド。突如として、その背中から赤黒い"何か"が伸びてくる。手とも形容しがたいそれは、ゆらゆらと尻尾の様に揺らめいている。
「俺様が相手とは、なんて運の悪い。もうお前は生きてここから帰れねぇよ」
「ど…どうかしらね。やれるもんならやってみなさいよ」
「は、いい度胸してんなお前。気に入ったぜ。たっぷりいたぶってやらァ!」ブォン
「く…!」ヒュ
"何か"で思い切り叩きつけてくるのを寸前で躱す。避けた所は地面がひび割れていた。
「何ってパワーなの。それよりアレは一体・・・」
「おらおら、考えてる暇はねぇぞォ!!」プォン
「頭脳派なのか脳筋なのかハッキリしなさいよ!」ヒュ
"何か"は一本から四本に分かれ、それぞれが緋翼に向かってくる。緋翼は何とか全て躱すが、恐らく一本でも当たれば骨が砕かれるだろう。
「なら一か八か・・・"紅蓮斬"!!」バシュ
「お?」ブシュ
「やった…!」
苦し紛れに放った焔の衝撃波は、見事"何か"の一本を両断する。すると驚いたことに、両断された部分からドロドロと赤黒い液体が流れ出してきた。
「え、血…?」
「そろそろ気づいたか? 俺の力に」
「アンタ・・・血液を操るのね?」
「ピンポーン、大正解。賞品は"串刺しの刑"だ!」ビュッ
「嬉しくないわよそんなの!」ヒュ
"何か"の正体は、ブラッドが血を用いて創り出したモノだった。恐らく、先の緋翼の一撃をわざと受けることで流血し、そして血液を操って固形化したと言ったところか。今の地面を抉る程の串刺しを見る限り、変形どころか硬度まで自由自在らしい。流血が条件だとしても、厄介なことこの上ない。
「ははは! さっきの威勢はどうした? 逃げてばっかじゃねぇか!」
「うっさいわね。突っ込んだところで勝ち目無いのはわかってんのよ」
刀一本ではアレに真っ向から迎え撃つことは厳しい。一本ずつ斬ったとしても、どうせ再生するのがオチだ。だったら全てを一度に叩かなければならない。
「これは…骨が折れそうね…」
滴る冷や汗を拭いながら、緋翼は呟いた。
*
「ウィズって言ったか? 魔女なんだってな。どんな魔法使うんだ?」
「敵においそれと手の内を晒す馬鹿がどこにいますか」
「なんだよ、つれねぇなぁ」
終夜はいつもの調子で軽口を叩く。が、内心は焦っていた。ウィズが発しているオーラ・・・それは、かつてないほどの強
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