第39話 学園祭
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たはずのフィーが何故か離れた場所にいて俺たちの様子を伺っていた。
「あれ?フィル、どうしたんだ?」
「……」
フィーに声をかけてみるが彼女はアルバ教授を警戒しているのかこちらには来なかった。
「リート君、あの子は誰ですか?」
「ああ、あの子は俺の妹です」
「妹さんがいたんですか。でも何やら私を警戒しているようにみえますが……」
「すいません。あの子ちょっと人見知りするところがあるので……」
「なるほど、確かに私みたいに怪しい人物は怖いでしょうし不安にさせてしまったようですね」
「不快な思いをさせてしまい申し訳ございません」
「いえいえ、私は気にしてませんよ。じゃあ私はこの辺で失礼させていただきます。またお会いできるといいですね」
アルバ教授はそう言うと別の展示物がある教室に向かった。するとさっきまで離れていたフィーが俺の傍に来ていて手を握っていた。
「……」
「フィル、どうかしたのか?昔よりは人見知りが治ったと思っていたんだけど……」
「あの人、怖い……」
「怖いってアルバ教授が?」
「うん、よくわかんないけど怖くなったの……」
プルプルと体を震わせているフィーを見て俺はアルバ教授が去っていった方を見る。俺は何とも思わなかったがフィーは一般人より感覚が鋭い所があるから自分しか分からない何かを感じたのかも知れないな。
「……少し警戒しておくか」
俺はアルバ教授に少しの疑問を持ち今後は注意深くしておこうと思った。その後はクラブハウスで昼食を食べた後劇が始まる時間になったので講堂に向かった。
「凄い人の数だね」
「ああ、早めに席を確保していてよかったよ」
何とか全員分の席を確保できたが凄い人の数だな、エステルさん達も大分緊張していることだろう。
「でもなんの劇なんだろうね」
「貰ったパンフレットによれば劇の名前は『白き花のマドリガル』といってリベールに貴族制度が残っていた時代の王都を舞台にした物語のようで平民の騎士オスカーと貴族の騎士ユリウス、そして王家の姫君セシリアとの3人の関係を描いた恋愛劇……らしいよ」
「なんかドロドロしてそうだね」
「いや、劇なんだしそんな物騒なものじゃないだろう……っとそろそろ始まりそうだ」
辺りが暗くなりアナウンスが流れてきた。
『……大変お待たせしました。ただ今より生徒会が主催する史劇、『白き花のマドリガル』を上映します。皆様、最後までごゆっくりお楽しみください』
演劇が始まり眼鏡をかけた女子生徒が語り部をしながら物語が始まったんだけど最初に出てきたセシリア姫を見て俺とフィーは目を丸くした。
「……あれ、ヨシュアだよね?」
「ああ、間違いな
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