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英雄伝説〜西風の絶剣〜
第39話 学園祭
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聞くのは紳士の務めだからね」
「偉そうに言わないでくださいよ。どっちかっていうとあなたがメイベルさんに迷惑をかけたんじゃないですか」
「うふふ、お二人も変わりないようで安心いたしましたわ。そしてあなたは初めましてですわね。私はメイベル。商業都市ボースの市長を務めさせていただいている者です」
「ん。私はフィル。リートがお世話になったって聞いた。よろしく」


 ギュッと握手をして自己紹介を終えるフィルとメイベルさん。するとそこにメイベルさんのメイドのリラさんが現れた。


「お嬢様、また勝手にいなくなられたりして……まずはダルモア市長とコリンズ学園長にご挨拶をしに行くと決めていたじゃありませんか」
「ごめんなさい、リラ。美味しそうなクレープがあったからつい……」
「ついじゃありません……リートさん、お久しぶりです。本当はもう少し会話を続けたいのですが予定が迫っていますので……」
「リラさん、お久しぶりです。相変わらず大変そうですね、俺たちの事は気にしないでください」
「ありがとうございます。さあお嬢様、行きますよ」
「あ、待ってリラ。まだクレープを……」
「それでは皆様、失礼いたします」


 リラさんはペコリとお辞儀をするとメイベルさんを連れて行ってしまった。


「……何だかあのメイドの人、大変そうだったね」
「まあ何だかんだ言ってもあの二人はいい関係だと思うよ。リラさんも楽しそうだったし」


 メイベルさんと別れた後、俺たちは本館の中を見て周ることにした。二階には生徒たちが調べた研究内容が展示されていた。二つの教室がありそれぞれが違うものを研究していたようで社会科コースはルーアン地方の歴史や経済について調べてあり自然科コースは結晶回路と導力技術について調べた事が展示されていた。


「へえ、結構本格的なんだな……」


 展示されていたものは学生が作ったものにしては本格的な内容でかなり興味が湧いた。子供たちは退屈そうなのでオリビエさんに相手をしてもらい俺は熱心に展示されていた物をみていた。


「おや?もしかしてリート君ですか?」
「アルバ教授、あなたも来ていたんですね」


 俺に話しかけてきたのはロレントで知り合ったアルバ教授だった。彼も学園祭に来ていたのか。


「ええ、偶には息抜きもしようかとここにお邪魔させていただきました。それにしても奇遇ですね、お元気そうで何よりです」
「教授こそ元気そうで何よりです。あれから至宝について何かわかりましたか?」
「いえまだ何とも言えませんね……つい先日も『紺碧の塔』の発掘調査にいったんですが成果はあまり得られませんでした」
「また一人で行ったんですか?あなたも無茶しますね」


 俺がアルバ教授と話していると隣にい
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