第二話
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カナリアが俺に持ってきた依頼は、『禁則区域』に存在する冥獣の討伐だ。
『禁則区域』とは、第六異変とは違いロルリアンレット世界図書館が魔剣機関に秘匿している特異異変の原因で封印された場所のことを指す。
『禁則区域』は普通の魔剣使いでは知覚は出来ない。いや、そもそも存在を認識できないといった方が正しい。
だからこそ、ロルリアンレット世界図書館から認められた『特殊』な魔剣使いが特異異変に溜まった冥獣を討滅する必要がある。
さて、その『特殊な魔剣使い』についても解説を入れていこう。
まず一つは『特異異変自体に巻き込まれた魔剣使い』。この場合、該当するのは俺自身、暁罪火だ。
そして二つ目は『特異異変に巻き込まれた魔剣』。この場合の該当は相棒たるカグツチと、今は亡き二振りの魔剣だけだ。
過去に俺達はある知性のある冥獣によりこの特異異変に巻き込まれた。
討滅……というより封印に近いがその冥獣は犠牲を出しつつ抑え込んだ。
しかし、特異異変は起こした冥獣自体を討滅しないと続き続けるという厄介な物だった。
当時の俺では討滅は不能だった為、止む無くロルリアンレット世界図書館にこの一件を報告し、今に至るわけだ。
???
「カナリア、撃て!」
「あいよぉ!」
カグツチとヘルの炎で逃げ場所をなくした冥獣目掛け、カナリアがバスターを向ける。
「ぶっ放せ!」
『吹き飛べ、我が咆哮で!私の炎は全てを砕く!ブレイズドライブ!』
「《破龍逆鱗轟爆砲》!!」
紅き龍が銃口から飛び出し、冥獣を食らって爆発する。作らないと決めていた魔剣鍛冶の血がここまでの良作を生み出すとは我ながら血は恐ろしいと実感してしまう。
「ここら辺の冥獣はあれで全部か?」
カナリアがバスターを魔剣状態から解除しながら罪火に問いかけてくる。
「そうだな。これくらいで大丈夫だろ」
念のため両手にヘルとカグツチは待機させている。さらに言えばキングスブレイドに探査能力に長けているグングニルとニルヴァーナを魔剣形態で所持するように言い渡している。不意打ちは絶対ないはずなので本当に念には念をだ。
「にしても特異異変地帯って本当に変な感じだな。なんか魔力が循環しずらいっていうか……」
「……そりゃあそうだろうな。この空間は本来普通の魔剣使いは巻き込まれたら最後、その時点で絶命する」
理由は定かではないが、この空間は魔力を吸収する能力があるらしく、俺みたいな魔剣使いでなければ空間に触れた時点でジエンドだ。
それを聞いたカナリアは焦りだし、俺に言う。
「じゃあ早く出ねえと!!」
「……何のための俺だよ」
俺はため息をつきながら言う。それを聞いたカナリアは
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