第12話 改訂版(2018/11/07)
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ゴブタ殿だったか?我輩達の助太刀に来てくれたのであるな。周囲の者達は……、ゴブタ殿の配下であるな!流石は我輩を打倒した戦士。あの里で戦士長を務めているのであるな!!」
ガビルの発言を耳にしたその場にいるリムル軍の全員が一瞬の内にその額に青筋が浮かべた。理由は簡単。この場におけるリムル軍の指揮官は右近衛大将であるリグルであり、ゴブタではないからだ。
無論、ゴブタに指揮官としての才能がないという訳ではない。実力的には分隊や小隊を指揮できる能力はある。しかし、紅麗や紅丸からはお調子者である為、現時点では中隊以上の規模を任せられないと判断されているのだ。
指揮官と間違ったのがゴブタではなく、妖鬼部隊の誰かであれば、流石にリムル軍の全員が不愉快な思いをすることは無かっただろう。
「な、何を言ってんッスか!?オイラは戦士長なんかじゃなくて、一兵卒ッスよ!!?」
「ゴブタの言う通り、この部隊の指揮権は紅麗殿よりこちらのリグル殿が預かっている。ゴブタに指揮権はない」
同胞が不機嫌になっていることを察したゴブタは自分が一兵卒であることをガビルに告げ、ランガもゴブタの言を肯定する。
「貴殿は牙狼族の……」
「ランガだ。森の管理者である樹妖精の要請を受諾されたリムル様の命により豚頭族の討伐に赴いた」
「………リムルなどという魔物の名は聞いたことが無いな。それにゴブタと言ったか?貴様、その角と妖気から察するに大鬼族だな?
大鬼族の里は数千に及ぶ別動隊に襲わせたはず。何故、貴様――いや、貴様らは生き残っている?」
ランガがガビルに自分の名と蜥蜴人族の救援にやって来た理由を告げると、その話を聞いていた豚頭将軍が話に割り込んだ。
豚頭将軍は大鬼族の里を襲撃した別動隊のことを知っていた個体であった為、この場に現れた大鬼族の部隊――正確には大鬼騎兵と妖鬼が生存していることに疑問を感じ、ゴブタへと問い掛けたのだ。
「別動隊?ああ、そういえば紅麗さん達がそんなことを言ってたッスね。そんなの当の昔に朱菜様が全滅させたッスよ」
「数千の部隊を全滅だと、笑えん冗談だな。……いや、しかし別動隊が大鬼族の里に向かって既にかなりの日数が過ぎている。まさか、本当に……」
豚頭族の別動隊が全滅したのは事実だが、数千にも及ぶ部隊が全滅した事実を受け入れられない豚頭将軍は混乱する。そんな豚頭将軍にゴブタは更に追い打ちを掛けた。
「っていうか、少し前までオイ
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