ペルソナ3
2018話
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「順平!? おい、ちょっとお前どこに行ってたんだよ!」
教室に姿を現した順平を見て、友近は嬉しそうに叫ぶ。
そんな友近の声は朝のHR前で雑然としていた教室中に響き、当然のように、他の者達も声のした方……そして声を発した友近が見ている順平に視線を向ける。
すると、クラスの中でも順平とそれなり以上に親しい者達は、皆が揃って順平に声を掛ける。
ムードメーカーだけあって、順平はクラスの中でもかなり顔が広い。
……まぁ、急に巌戸台分寮に引っ越したという事もあり、美鶴や真田、有里といった面子のファンからは若干嫉まれているところもあるのだが。
「いや、うん。まぁ……用事は大体片付いたから、何とかな」
順平とチドリを確保してから、既に数日……今まで順平が学校に来なかったのは、何だかんだと順平が軟禁されていたという事もあり、それを検査していたというのもあるし、多少心を開くようになったとはいえ、それでもやはりチドリが現在一番心を開いているのは順平だからという理由が大きい。
それでも何とか順平が学校に来る事が出来るようになったのは、チドリも何とかなったからなんだろう。
……美鶴から聞いた話によると、順平がいない場合はスケッチブックを与えておけば、ずっとそれに何かを描いているらしい。
もっとも、その絵はかなり下手……いや、独創的で、一般的な感性ではちょっと分かりにくいらしいが。
ともあれ、そんな訳でチドリの問題も何とかなり、こうして順平が学校に来る事が出来る用になった訳だ。
「いやー、それにしてもナイスタイミング。本当に良いところで来てくれたな」
「……え? 何だよ。ちょっと……いや、かなり嫌な予感がするんだけど」
満面の笑みを浮かべる友近に、反射的に数歩後退る順平。
だが、友近はそんな順平を逃がさないと、一気に前に出て順平の両肩を掴む。
今の動き、その辺の素人に出来るような動きじゃなかった気がするんだが……いやまぁ、順平も最近は学校を休んでいた影響で剣道部にも顔を出していなかった筈だ。
そうなれば、身体の動きが鈍ってもしょうがないか。
案の定、宮本が今のやり取りを見て、どこか呆れたような表情を浮かべているし。
「いや、本当に助かった。鉄板を運ぶのとか、模擬店の組み立てとか、今のうちに運んでおける食材の移動とか……力仕事が出来る奴は、幾らいてもいいんだからな」
満面の笑みを浮かべている友近だが、実際には道連れが出来て嬉しい……というのが正しいか?
「ちょっ、ちょっと待ってくれよ! そういう体力仕事なら、俺じゃなくてアクセルだろ!?」
焦った様子の順平の声が教室の中に響く。
その判断は決して間違っている訳じゃない。訳じゃないんだが……
「今まで学園祭の準備をサボ
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