MR編
百五十三話 王墓の死霊
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「うんっ!」
「はい」
全員のポジションを改めて確認し、各員が頷くのを確認して、シリカは通路の先を見て少しだけ考える。
「広場に入ったら少し散会しつつ前進します。周りを警戒しつつ、前衛を前に進んでください」
「あぁ。他にも何かあるか?」
キリトに聞かれて、シリカは少し思案を巡らせるように顔を伏せると……ややあって、気が付いたように言った。
「分断……」
「え?」
「あの、もし何かあって、メンバーが分断されてしまった時なんですけど……、ダンジョンマップで、ダンジョンの形状は見れるので、ひとまず、中心を目指して合流する、って、事にしておきませんか」
「ほぉ……了解だ」
なんとも限定的な状況に対する指示に、メンバーは少し意外そうな顔をしたが、何しろ初見のダンジョンだ。慎重になってなりすぎるということは無い。全員が快く了承し、シリカたちは前進を再開した。
────
「何も、居ないな」
「うん」
「油断すんなよ〜」
広場は、幅5mほどの太い通路ホールだった。所々に障害物や柱があり、綺麗とは言えないが、奥までの見通しは悪くない。高い天井の下を、侵入したメンバーは慎重に進行しつつ、周囲を確認していく。周囲のよくわからない石の突起や段差、柱には謎の意匠や文字が刻まれており、薄暗い空気の中で不気味な気配を醸し出している。
「これ、ヒエログリフ?」
「やっぱり、エジプトに関係ある場所なのかな……?」
「うーん……」
後方についた三人が、周囲のそれを興味深げに観察していると、不意に前衛に立っていた二人が声を上げた。
「ん……奥が見えた、行き止まりだ」
「ホントだ、シリカー!通路が……」
そうユウキが声を上げた……その時だった。
重々しい音を立てて、地面が揺れた。
「っ……!」
「!停止して!皆さん、気を付けてください!」
全体が足を止め、周囲を観察する。揺れと共に、周囲の壁や天井から砂煙が降り始めていた。
「オイでなすったか……?」
「後衛の皆さん!大丈夫ですか!?」
「うん!シリk……!?」
恐らくは注意を変えそうとしたのだろうアスナの声が、不意に途切れた。
「アスナ、どうし、ぅおっ!?」
「ひゃっ!?」
「なっ!?」
「わぁぁっ!!?」
次の瞬間、それまで揺れと共に響いていた重低音は、周囲そこら中から鳴り響く轟音になり、それと共に、石臼を回すような石材が擦れることが響く。そして次の瞬間、地面は揺れどころか、「動き始めた」。
「なんだっ!?」
「おいおいおい!?」
「きゃあっ!?」
足を踏ん張る事も、地面にしがみつくことも到底できないようなスピードで、周囲に会った突起や柱、天井、地面が、右へ左へ上へ下へと出鱈目に動きまわり、まるでミキサーか回転するボールの中
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